薬学部出身で、現在は製薬企業で研究職をやっている者です。
薬の研究という点で大きく進路を分けると、
1.大学で薬の研究を行う(アカデミック指向)
2.企業で薬の研究を行う(企業志向)
の2つがあると思います。
どちらにせよ今は大学院へ進むことが必須です(最低でも修士課程)。
アカデミックの研究者であれば博士課程まで出ることが必要です。
(なお6年制薬学部卒は実質上は修士だと考えて構いません)
どちらも一長一短ですが、大学の研究者を目指す場合は、
博士課程を出た時点で最短で27歳、そこからポスドクなどを経て、
ようやく定職につけるので、経済的にきついことを覚悟してください。
30近くまで親の脛をかじる覚悟?が必要だと思います。
企業の研究者の場合は、自分の希望する研究ができる可能性が低いこと、
利益や業務に結びつかない基礎学問はしにくいことを覚悟しましょう。
また、質問の件ですが結論から言うと何学部でもいいです。
極端に言えば文系でも構いません。研究者としてのキャリアは、
基本的に大学院からスタートするので、学部がどこであろうと、
大学院から自分の好きな分野を選べばいいのです。
(実際に文系出身で、大学で生命科学の研究をされている方はいます)
ただし、企業の研究者を目指されているのであれば、
医・歯・薬・獣医や、農・理・工の生物系/化学系などの学部・学科に
入っておくことをおすすめします。というのも「薬の研究」というのは
かなり多岐に渡る分野ですが、企業で需要がある研究というのは、
わりと限られているからです。自分のやりたい研究をやっていれば、
企業に入れるわけではなく、ニーズのある分野でなければなりません。
(ちなみに製薬企業の研究職を目指されるのであれば、
最低でも旧帝大に入ってください。院からでも構いません。
旧帝大であっても就職活動は苦しいということを覚悟してください)
薬学は4年制でも6年制でも構いません。
研究者になるだけなら4年制でいいのですが、
大学を出て資格が残らないというのはかなり損です。
(製薬業界は不安定なので、資格があったほうが安心です)
6年制でも研究者になれるので6年制の方がいいかもしれません。
ただしその場合は院から大学を変えれないので、
最初から東大や京大を目指してください。
(大学は、研究室の労働力として長時間学生をこきつかえる4年制に
人を集めたいので、4年制じゃないと研究者になれない、
なんてことを言いますが嘘っぱちです。騙されないように)
個人的には、一番経済的に安定して自分のやりたい研究ができるのは、
医学部医学科に入ることだと思います。それで医師免許を取って、
さらに博士号も取って、基礎系でも臨床系でもいいので、
単に診療する医者としてではなく、大学医学部の研究者として、
薬に絡めた研究を行うのが、最も効率的かつ賢い方法だと思いますよ。
それでは検討をお祈りしています。