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帯電したビニールひもが、帯電していない壁に引き寄せられる?
中2の子を持つ親です。先日息子が、学校の理科「静電気」の授業で、「ビニールひもを裂いたもの」と「塩ビパイプ」を使って、実験をしました。両方を同じティッシュでこすってから近づけると、反発してビニールひもが中に浮く、というヤツです。このとき、宙に浮いたビニールひもが、帯電していない壁に引き寄せられました。これはどうしてなのでしょう?学校の先生の説明によると、「壁の中の電気が○○分離(?)を起こして、+の電気が表面に来たから、ビニールひもの-の電気と引き合った」というような説明だったそうです(“○○分離”のところは言葉を忘れたそうです)。今ひとつよく分からないので、どなたか解説していただけませんでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします。
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- fine001
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物質は、原子核や電子の様に、正の電荷や負の電荷からできています。「帯電していない」というのは、正の電気量と負の電気量が同じ量だけ存在していると言う意味です。 金属内では、自由に移動することができる電子があります。自由電子と呼びますが、金属の電気や熱を伝えやすい性質は自由電子があるためです。金属の場合は、たとえば正の電荷が表面に近づくと自由電子は表面近くに引き付けられほんの少しい表面近くに多く存在するようになります。ですから、表面には負の電荷が現れることになります。反対に負の電荷を金属に近づけると、表面近くの自由電子は少なくなり、正電荷(原子核ですから動きません)の割合が大きくなるので正に帯電したことになります。その結果、近づいてきた電荷を引き付けます。金属表面がこのように帯電することを、「静電誘導」と呼びます。 一方、電気を伝えない絶縁体(不導体)は、正や負の電荷が近づいても自由に移動できる電子を持っていません。しかし、原子にちょっとした変化があります。原子を中心にある正電荷の原子核とその周りを周回している電子でできていると言うイメージで捉えることにします。(あくまでもモデルです。)正の電荷が近づいてくると、周回している電子が少し引っ張られて接近した正電荷のほうに偏って存在するようになります。その結果、原子は接近した正電荷に面する方が負に、反対側が正になります。このことを「誘電分極」と呼びます。外部から負の電荷が接近するときは分極が逆向きになります。非常に小さな+-が向きを揃えた形となるので、表面は帯電したことになります。その結果、外部から近づいた帯電体を引き寄せるということが起こります。金属製の壁ではないと思いますので多分「誘電分極」を○○分離と聞き違えられたのではないでしょうか? ちなみに、絶縁体は誘電分極を起こしますので誘電体と呼びます。
お礼
fine001様 大変丁寧な回答、ありがとうございました! おかげさまでよく理解できました。 なるほど、「誘電分極」という言葉を聞き違えたようですね。 早速子供に説明してあげようと思います。