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パプアニューギニアにおける肉親の死去に伴う手の指の切断の風習
パプアニューギニアではかつては肉親を失った女性は自分の手の指を切断していく風習があったそうですが、植民地政策に伴う文化の西欧化(西側キリスト教文明による文化的侵略?)のため1970年代にはなくなった、と聞いていましたが、1996年の5月にゴロカと言う町で指を切断した女性を見かけました。 その女性の年齢は分かりませんでしたが4~5歳くらいの男の子の手をひいていました。 もともと英語は得意じゃありませんし、いないと言われていた人に会えたことであせってしまい詳しいことを本人に聞くのを忘れてしまいました。 この風習について教えてください。
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- neil_2112
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ネット上での検索結果を総合してみると、およそ以下のようになります。 葬儀の際における指の切断は、パプアニューギニア共和国ではなく、その西側半分にあたるインドネシア領イリアンジャヤの中央高地に住む部族の風習として知られています。一般に知られているのは、ダニ(Dani)族の習慣で、このダニ族はおよそ木と石だけを道具として原始的な生活を営む裸族のひとつです。 一夫多妻制のダニ族では、家族や近縁の男性の葬儀に際し、特に若い女性や少女の指を切断するという風習がありました。フィールドスタディの記録によると、女性は無理やりに葬儀の現場に連れてこられます。上腕部をきつくしばり、手を岩に打ちつけてしびれさせ痛覚を弱めたうえで、葬儀専門職の手によって石斧で指の第二関節から先を切断されるのだそうです。 切断後ただちに手は葉でくるまれて止血されます。女性はその後まる1日、手を上げた状態で過ごすのだそうです。 葬儀にあたりどの女性が指を切断されるのか、という選択は親戚内の重鎮的存在の男性が決める場合が多いとされます。 従って1人の女性が何度も指を切断されることも珍しくないそうで、ほとんどの指の先がない女性もいるそうです。ただ、生活上の問題もあると思われますが、親指は切断されることはほとんどなく、切断も根本からではないため、およその女性が切断後も家事にあまり問題なく従事できるようだ、とされています。 切断の意味は、痛みを死者と共有することとも説明されますし、死を早く追い払うため、つまり痛みによって肉親の死の悲しみを忘れ早く立ち直るため、と説明される場合もあるようです。恐らくその双方の意味を含んだ服喪の表現なのでしょう。 ダニ族に限らず近隣のラニ族なども含め、この地方では生活上での男女の役割分担が明確に決められており、一夫多妻ということもあって夫婦でも別棟で離れて寝ることになっています。 この指切断は女性だけの習慣ですが、男性の側には同じ理由で耳を切断するという風習があったようです。 指切断の習慣は、ダニ族らが60年代に宣教師らに発見されて以来、段々と少なくなってきています。現在でも稀に行われるそうですが、インドネシア政府の強力な介入もあってほとんど見られなくなってきました。宣教師の誘導もあり、現在は指切断に替わって体に泥を塗る、という形で喪に服すのが一般的になりつつあるようです。 英語ページばかりですが、主だった参考HPを紹介します。 http://www.geocities.com/hr1975/ij-report.htm http://www.pantravel.net/explore/16662 http://www.uic.edu/classes/osci/osci590/13_4%20Scarification_%20Mutilation_%20Dental%20and%20Body%20Alteration.htm
お礼
ありがとうございました。 とても早くにご回答下さったのにお礼が遅れて申し訳ありませんでした。 この風習は、ある意味での通過儀礼だったのでしょうか?だとしたら >男性の側には同じ理由で耳を切断するという風習があったようです。 ということもうなずけますね。でも3人以上亡くなった場合はどうするんでしょうね?