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金属結合している金属元素はみんな陽イオン?
「金属は、金属元素の原子が多数結合してできている。このとき、各原子の価電子は特定の原子に固定されず結晶中のすべて原子上に広がって分布している」と教科書に書いていて、その横に http://kminami373.hp.infoseek.co.jp/webkagaku/1menu/kinzokuketugo.htm にあるような、陽イオンが規則正しく並んだ周りに電子が飛び回っているようなイラストがあります。 そこで思ったのですが、ある金属があるときその金属内の電子の数は変わることはありません。だとしたらすべてが正(+)に偏ることはなく、どこかに負(-)の金属イオンができるのではないでしょうか?それとも電子は最外殻を移動せず、金属元素の小さな隙間に存在しているということでしょうか?
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マクロ、原子の数nを無限大に発散させた状態、でみると既にあるとおりです。 ところが、多少の不純物が混ざってきて、一部分に電子の数が合わないとか、原子環距離が多少異なるとか、というばあいには、「共有した巨大な電子雲」のほかに「共有したエネルギー順位の異なる電子雲」ができます。 これが、金属の切断面のような「界面」を考えないマクロな考え方です。 次の考え方として、 「界面」だけしか考えない。内部はどうなっていようとも、均一な状態であり、反応には影響しない。 という考え方があります。すると、片側は金属結合であり、片側が非結合状態で電子雲が剥き出しのような状態になります。真空状態で付近にナにもぶしつが存在しないのであれば、電子は適当に動いていますので、温度がある程度高温ならば、どこかに飛び出して行くでしょう。すると、ある瞬間だけは、電子が欠落した原子が界面付近に生成します。次の瞬間にはとなりから電子が移動してきて均一になってしまうでしょう(金属隗全体の電子が1個失われる。静電気が発生したことと同じ)。 界面反応として変な反応をしている場合もあります。 ただし、「金属結合」として言われている概念は、原子の数が無限大として近似できるような状態ですので、既にあるとおりです。
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>それとも電子は最外殻を移動せず、金属元素の小さな隙間に… そんな「隙間」はありません。 金属結合している原子の最外殻電子(必ずしも1つとは限らないが)は金属全体で「共有されています」。 一般分子では原子軌道が再構成されて分子軌道を作り、最上位にある等価な原子軌道の再構成でHOMO(highest occupied molecular orbital)とLUMO(lowest vacant molecular orbital)が出来ています。 特にベンゼンの例を思い出して下さい、六個の等価なp軌道から三つの結合軌道と三つの反結合軌道が出来、そのうち二つずつがHOMO二つとLUMO二つになります。(二つずつ、「縮重」しています) そしてこのHOMO二つに四電子が入り、最も高い電子レベル=最も酸化され易い=電子供用性の軌道となってベンゼン環の親電子置換反応の基礎になっています。 同じ事が金属でも言えます、最も外殻の軌道が供出されこれが「原子の個数の半分の個数」の結合軌道と反結合軌道に分かれます。 この結合性軌道が金属全体を覆っています。この電子のレベルが「フェルミレベル」で導電性はこの軌道に各原子から入る電子が負っています。 なお外部の電源とつながれるとこのフェルミレベルの位置(エネルギー準位)が変化します。
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ご回答ありがとうございます。 >そんな「隙間」はありません。 てっきりあると思ってました。電子自体小さいのにそれすらも入れないほどの密度があると言うことですね。詳しい解説ありがとうございました。参考にさせていただきます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >すると、ある瞬間だけは、電子が欠落した原子が界面付近に生成します。次の瞬間にはとなりから電子が移動してきて均一になってしまうでしょう(金属隗全体の電子が1個失われる。静電気が発生したことと同じ)。 質問をまとめると仰るとおりになります。 >ただし、「金属結合」として言われている概念は、原子の数が無限大として近似できるような状態ですので、既にあるとおりです。 そのような前提があって金属結合と言う言葉が使われているのということですね。詳細な解説ありがとうございました。