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法的効力のある借用書
現在、知り合いに60万円程貸しており、毎月少しづつ借金が増えています。 今まで信用貸しだったので借用書を作ろうと話をして同意も得ました。 そこで質問なのですが、法的効力のある借用書には一定の決まりごとや書式があるのでしょうか? 専門家以外の人が作成しても大丈夫なのでしょうか? 印鑑証明と実印は用意するように言っています。 その知り合いの自宅は立退き区域であり、正確な期日は決まってませんが今年中には立退きして 立退き料をもらうため、それを担保という形でお金を貸しています この条件の中、正しい借用書の作り方を教えてください。
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他の方が既に回答されていますが、「正しい」借用書の書式というのはありませんし、一部不明確な部分があったからといってその他の部分の効力が否定されるわけではありません。 たとえば、「返済期限」が抜けている借用証について、「金額」について証拠能力がなくなるわけではありません。抜けている部分については証明できなくなるだけなんです。 というわけで、 日付 金額(何日付の金額かも明確に) 債務者(借りた人)の住所、氏名、印(実印と印鑑証明が最適) 債権者(貸した人)の住所、氏名 返済方法→自宅の立ち退き料で支払うということですから、「債務者の自宅(住所:~)立ち退き料の入金があった後、即日に一括で」などと定めておきましょう。 また、立ち退き料の入金があったかどうかを確実に判断するために、立ち退きの合意書などももらった方がいいかもしれません。 最良なのは、「債権譲渡」か「取立て委任」をしてもらって、立ち退き料を払う人から直接もらってしまうことです。 「債権譲渡」の場合は、知り合いから立ち退き料を払う人宛に、内容証明等で「債権譲渡通知」を出してもらうことで譲渡を受けられます。 「取立て委任」は委任状をもらえば済むのですが、正直言って揉めると思います。実印と印鑑証明があれば委任状の効力は証明できるはずですが、いきなり知らない第三者に「払って」と言われてもそう易々と払えないでしょうから。 あと、借用証ですが、「二通」作る必要はありませんよ。 債務者(借りた人)の立場としては、二通欲しいのは当然でしょうが、あとで変造して内容が異なる契約書が現れる可能性もゼロではありません。あえて二通作ってあげる必要は全くありません。二通作るのは、お互いの安心のためであって、一通でも二通でも効力は全く変わりませんので。 普通、金銭消費貸借の場合は債権者(貸した人)だけが借用証を持っていて、借りた人は控えだけというのが通常だと思います。
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#7です。誤字の訂正。 >7.当事者の署名(ないし記名)押印によって成立の申請を担保してある 7.当事者の署名(ないし記名)押印によって成立の"真正"を担保してある
お礼
わざわざどうもです^^
「正しい借用書」ではなくて「法律的に意味のある借用書」であるわけですが、書類の機能を考えてみればすぐにわかります。法律上は、契約は「書類を作成しなくても成立するのが原則」(一部例外あり)です(註:これは「みなす」のではありません。事実、成立するのです。「みなす」とは「事実上はそうでない場合も法律上はそういうものとして扱い、且つ、それに対して反証によって覆すことを認めない」という意味です)。 ですから書類には法律上の特別な効力がありません。 そこで貸金にまつわる書類の機能は「もめたときに金を貸した事実を証明する」ことです。したがって、 1.いつ 2.誰に 3.誰が 4.いくら 貸して 5.いつ返す 6.その他の条件(利息など) というのがはっきり分かるように書いてあり、 且つ 7.当事者の署名(ないし記名)押印によって成立の申請を担保してある とまずは十分である ということになります。 民事訴訟法上、署名押印のある契約書はその成立について立証する必要がなくなります(成立の真正を推定すると言います)。ただし、成立だけですから「中身が本当かどうかは別問題」ではありますが、他の証拠がなければ契約書どおりの中身という判断になって全くおかしくありません。この辺りは、その証拠が何をどれだけ証明できるかという意味での証明力の問題になりますが、「記載漏れがあると記載漏れをしているような証拠では信用性が低い」と取られるおそれがあります。そうすると証明力が下がる可能性は否定ができないことにはなります。なお、これは「証拠能力」ではありません。証拠能力とはそもそも「証拠とすることができるか」という意味であって「民事においては証拠能力はほとんど問題にならなず、証明力の問題だけ」です。 つまり、 記載漏れがあったとして記載漏れをしている事項については何も示していないのだから証明力は全くない(当たり前ではあります)が、記載してある事項については証明力はある。しかし記載漏れと相まって証明力が下がる可能性がある。いずれにしても証拠能力は問題にならない。 とこういうことです。 ところで記載漏れで一つ注意しておくと、「任意に定めることができる事項を記載しないとその事項は、存在しないから記載しなかったと逆の推定が働くおそれがある」ので、例えば金銭消費貸借契約では「利息の定めがない場合は無利息が原則」であるので「利息について記載漏れをすると実際には利息の定めがあってもなかった(=無利息)と判断される」おそれがあります。ですから、利息の定めがあるなら是非記載しておくべきです。 あとはこれ以外に、作成日付を入れるのが普通。 印鑑が実印で印鑑証明書が付いていてその有効期間と作成日付が合致していると証拠としての価値は高くなりますし、公正証書にしておけば成立についての信用性はきわめて高いということになるとか、証拠としての価値を上げる方法は幾つかありますが、いずれにしても「証拠として」どれだけ役に立つのかが書類の存在意義です。 ところでなぜ借用書ではなくて「書類」と書いているかと言えば、設例のような金銭の貸し借りは法律上は金銭消費貸借契約なのですが、金銭消費貸借契約を証明する書類を当事者間で作成する場合には通常は「金銭消費貸借契約書」という名称を使うからで、「借用書」という表現は「借りた側が借りた事実を記載して貸した側に差し入れる」という場合に使うのが普通だからです。 以下はおまけ。 ところで、遅延利息(正確には遅延損害金)は決めなければ法定利息が取れるので、仮に記載がなくても最低限5%(商事だと6%)は取れます。 なお、借用書作成後に追加で金を貸した場合にはまた新たに契約書を作る必要があります。ちなみに、これは「準消費貸借ではありません」。単なる別の消費貸借です。準消費貸借とは、大雑把に言えば、もともと消費貸借ではなかった契約を消費貸借契約に代えること、例えば「売買代金を貸したことにして金銭消費貸借契約に代える」という場合を言います。
お礼
ポイントを細かく説明していただいてありがとうございます! 大変わかりやすく参考になりました!
- walkingdic
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法的効力という意味をよく考えてみる必要があります。 法律上は、口頭であっても契約は成立しているとみなします。 意思表示がなされればそれがどんな手段であってもそれで契約は成立しているとみなされます。 つまり、なんでもよいということになります。 ただ、その契約内容又は契約自体について双方の主張が異なった場合、第三者なりにそれを証明する必要性に迫られます。そのときに重要となるのが、その契約がなされたという証拠品です。 その証拠品として文章にするということが行われます。 そういう意味では特に書式などにこだわる必要もなく、必要な内容がきちんと書かれていればよいわけです。 借用証であれば、何時、誰が、誰から、金利がいくらで、いくら借りたのか。 そして、どのように返済するのか(一括なのか、毎月いくらなのか)。 そして、確かに当事者双方がそれを了承したという証の署名なり、捺印なり、印鑑証明(これは本人しか取得が出来ないので、それが契約書と対をなすことで、確かに本人が捺印したという証拠になる)なりがあれば、それはそれで有効なのです。 気をつける点としては、その借用書が偽造・変造されないように、一枚にまとめ(まとめられない場合には複数枚数を物理的に分離できないようにする)、また間違いがあった場合に訂正する必要がある場合には、確かに両者合意の下で訂正したという捺印も必要になるわけです。 因みにこのような契約文書は2通作成し、双方が保管するのが大前提です。 あと、借用書の場合には期限どおりの支払がなされない場合の扱いも書いておくとよいでしょう。 ・期限の利益喪失の項目を入れるのか(期限どおりに支払わない場合には一括返済を求められるようにする) ・延滞金利をいくらにするのか ですね。 因みに、このような契約を更に契約時から第三者に当事者が契約したと確認してもらう、公正証書というものもあります。こちらの場合には、公証人役場にて作成され、公証人がそれを確認しますので、その契約がなされたという証明としては非常に強力なものになります。そのため、公正証書では強制執行許諾文言を織り込むことが可能であり、この文言を入れた場合には、支払が滞ると、裁判することなしに、いきなり強制執行をすることも出来ます。 以上が法的効力ということの具体的な意味についてのお話となります。
お礼
丁寧に回答いただきありがとうございます。 公正証書を使うのも手ですね! 公正証書というのは、私が借用書を作りそれを役場で確認してもらうのでしょうか? それとも内容をすべて公証人役場で作成していただけるのでしょうか? いずれにしても大変参考になりました!
- shintaro-2
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>そこで質問なのですが、法的効力のある借用書には一定の決まりごとや書式があるのでしょうか? こじれて裁判をした場合には 貸した側が いつ誰が誰に貸した 金額 返済日を特定しなければなりません。 金利もあれば良いですし、支払期日までに支払えなかった場合には遅延利息もあれば良いです。 すでに貸している金額に追加する場合は、準消費貸借ということになるので、 今までいくら貸していて、それに合わせて追加でいくら貸し、トータルの金額を明確にして、上に記載したことを明確にする必要があります。
お礼
なるほど・・・ ひとつひとつ明確にしていくべきですね。 貸す日もまばらだし返済してもらう時の金額や日にちも決めていませんので 借用書で明確に定めたいと思います。 ありがとうございました!
- lirakko3g
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こちらなどを参考にしては? →http://shakuyousho.com/ ただし、ここにも記述があるように「借用書」があっても回収が確実になるわけではありませんから、よく考えて。
お礼
リンク勉強になりましたありがとう御座います! >回収が確実になるわけではありませんから、よく考えて。 ご指摘ありがとうございます。確かにその通りです><
お礼
直接立退き料をもらうようにもできるのですね^^ 借用書も2通用意する必要ないんですね! どうしてもほしいと言う場合はコピーを渡して 原本は私が持っていればいいですね。 ありがとうございました!