会社倒産に伴う債務について

質問

友人からの相談なのですが、私ではよく分からないので教えてください。

現在、有限会社の役員になっています。
実際の勤務の実態や役員報酬の受け取りもありません。
その会社の経営が傾きつつあります。
たぶん、1年くらいで危ないのではないかと思います。
そこで、役員から外して欲しいと思っておりますので、役員の辞任届けを会社に提出することにしました。
ただ、その会社ではそういった役員の変更など、法務局への提出？がずさんなので、もしかしたら、辞任届けを出しても、そのままにされてしまう可能性もあります。
もし、そのまま役員に名前が残ってしまった状態で、会社が破産してしまったら、返済の義務は発生しますか？
辞任届けを提出したという証拠を残すために、内容証明で辞任届けを提出してもダメですか？
宜しくお願いいたします。

回答No.1

komattawa · ベストアンサー

有限会社ですから、有限責任です。原則として出資した範囲で責任を負います。となりますが、現実はそうではありません。特に小規模会社では経営陣に倒産後の責任が残る場合があります。まあこれも実質的な経営者に対してでしょうが、用心するにこしたことはありません。
以下はその万一の場合に備えてです。
＞実際の勤務の実態や役員報酬の受け取りもありません。
ということなので責任がないのが普通ですが、善意の第三者（取引先等）にはこの言い訳は通りません。しかしあなたが善意の第三者に弁償した金額は実質的な経営者に請求できます。
今、即退任しても退任前に会社が作った借金（債務）には責任を負うことになる可能性もあります。内容証明は送った相手には有効ですが、それまでです。登記が重要です。
一刻もはやく退任登記を済ませるべきです。会社が動かない場合は強制的に登記を変更する方法があるはずです。詳しくは法務局か司法書士、弁護士の先生にご相談ください。

回答No.2

ok2007

有限会社は、現行法上、いわゆる整備法に定めるものを除き、株式会社に対する法令が適用されます。そして、辞任登記に関する取締役の責任については、整備法には定めが無いものと思われますので、株式会社についてのそれと同じように考えればよいこととなります。

株式会社の取締役を辞任した者について、その会社が辞任登記を怠ったときは、辞任した取締役は、辞任登記をしていないことにつき明示の承諾をしているか、または取締役として積極的に何らかの行為をしていない限り、辞任以降の責任を負いません（善意の第三者に対しても同じ）。そして、取締役の辞任は、代表取締役にその意思が届いたときをもって、成立します。

したがって、有限会社であっても、辞任届を代表取締役に提出し、かつ辞任登記を会社が怠っていることにつき口頭や手紙などによって明示の承諾をしておらず取締役としての積極的行為もしていなければ、登記が無いことに関する責任を負うことはありません。

なお、配達記録付内容証明郵便を代表取締役宛に送付し配達記録を得れば、辞任届が届いたことを確実に証明できるといえます。また、前述のとおり一定の場合を除き責任を負うことはありませんから、会社に登記を強制する必要はないといえます。

他方、会社が破産した場合の「返済の義務」については、保証人や連帯保証人になっていない限り、取締役個人が返済義務を負うことはありません。ただし、具体的事情によっては、辞任後であっても、取締役就任中の行為についての損害賠償責任を負うことはあり得ます（会社法４２３条、４２９条）。