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構造式から見る塩基性度-電子密度について
(a) H2N-ベンゼン環-O-CH3 ※パラ置換です (エーテルだと思いますが具体的な名称が分かりませんのでこの表記で;) (b) アニリン について、(a),(b)どちらが塩基性度が高いのかその理由を教えてください。 塩基性度が高い=電子密度が高い ですよね。 私は、 「(a)の“-O-CH3”は誘起効果によると電子吸引基であるので、(a)の方が電子密度が低い。 よって塩基性度は(a)<(b)である。」 と考えました。 しかし実際は(a)の方が塩基性度が高いそうです。 何故なのでしょうか?
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誘起効果と共鳴効果の両方が働く場合、どうも一般的に共鳴効果の方が勝るようである。 例えば、ハロゲノベンゼンにおける芳香族求電子置換反応で、ハロゲンは電気陰性度が大きいので不活性基と考えられメタ配向であるが、実際は少しばかり共鳴効果が勝るのでオルトーパラ配向になる。 また、塩基性度を考える場合には、 酸が強ければ強いほど、その共役塩基は弱い(即ち、安定である) 塩基が強ければ強いほど、その共役酸は弱い(即ち、安定である) このことを常に考えられると理解できます。 この例の場合、 1:Ph-NH2 + H^+ → Ph-NH3^+(共役酸) 2:CH3O-Ph-NH2 + H^+ → CH3O-Ph-NH3^+(共役酸) さて、1,2においてどちらの共役酸が安定であるかですね。 安定である→電荷の片寄りがない、ということから 2においては、窒素の+の電荷を和らげようとCH3Oから電子が流れていく(即ち、共鳴効果が働いて)と偏りが緩和される。 その結果、CH3O-Ph-NH2の方が塩基性が強いとなる。 この説明で如何ですか。
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それは誘起効果の方ではなく、共鳴効果の方が勝っているからでしょう。 4-位のメトキシの酸素の非共有電子対がベンゼン環のπ電子系に流れ込むため、アニリンからπ電子系に非共有電子対が流れ込む度合いが下がっているものと考えられます。 別の言葉で言えば4-位のメトキシがMe-O(^+)=C(ベンゼン環)となり、窒素の根本の炭素にH2N-C(^-)の寄与があるため、窒素とベンゼン環の共役が阻害される→窒素の塩基性を低下させていた効果が減る→窒素の塩基性が上がる。訳です。