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酸触媒存在下のアルドール反応?
卒業論文に取り掛かっている4回生です。 先日行った合成反応なのですが、文献やネットをいくら調べても反応機構が分からないのでここで質問させていただきます。 実験操作としては、ピルビン酸メチル(H3C(C=O)CO2CH3)、無水酢酸、オルト蟻酸メチル(HC(OCH3)3)の混合溶液を一晩還流するという簡単なもので、低収率ながら(E)-4-メトキシ-2-オキソ-3-ブテン酸メチル(CH3O(CH)2(C=O)CO2CH3)を目的物として得ました。 先輩の修士論文によれば、酸触媒存在下のアルドール反応とのことですが、酸触媒となるようなものは無さそうです。Perkin反応が関係ありそうなのですが詳しくは分かりませんでした。 上記の反応の機構が分かる方、説明をよろしくお願いします。
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またまた追加: No4で、 第五の間違い→第四の間違いに訂正。 尚、この反応は「アルドール反応」では無いことを理解しておいてください。
横レス追加: 第五の間違い: (MeO)2CH-C=C(-OAc)-COOMe → MeOCH=CH-C(=O)-COOMe + MeOAc このような脱離反応は起きない。 No1の私の回答は最後のステップが簡略化して有りますが詳しく書くと次のようです: (CH3O)2CH-CH2-C(=O)-COOCH3 + H^+ → CH3O^+=CH-CH2-C(=O)-COOCH3 + CH3OH → CH3O-CH=CH-C(=O)-COOCH3
横レスですが、 No2の回答の機構には間違いが有ります: 第一の間違い: CH=C(-OH)-COOMe+AcOAc→CH=C(-OAc)-COOMe + AcOH (これが酸か?) このようなエノールアセテートは出来ない。 第二の間違い: (MeO)3CH + CH=C(-OAc)-COOMe → (MeO)2CH-CH-C(=O)-COOMe + MeOAc このような置換反応まがいのことは起きない。 オルトエステルは酸触媒下に以下の反応により括弧内の活性体が出来ます。 CH(OCH3)3 + H^+ →[ CH3O^+=CH(CH3)] + CH3OH そこにケトーエノールによるC攻撃が起きる。 第三の間違い 反応からは、メタノールCH3OHが出てくるのであって、MeOACは出てこない。 No2の機構は参考にしないで、権威有る反応機構の参考書で調べ直してください。
>(E)-4-メトキシ-2-オキソ-3-ブテン酸メチル(CH3O(CH)2(C=O)CO2CH3) 構造が違うー。ブテン酸だから二重結合があるし、主鎖の炭素が足りないよー。これ→MeOCH=CH-C(=O)-COOMe Perkin反応に似てますね。少し。 「アルデヒド、カルボン酸→アルケン、カルボン酸 Knoevenagel反応と同様の条件下(塩基性)で、酸無水物が芳香族アルデヒドやケトンと脱水縮合し、置換オレフ ィンを生成する反応。」↓ http://www.chem-station.com/odoos/data/one-ene5.htm でも「塩基性」でもないし…。 オルトギ酸メチルがアルデヒドの役柄で、末端のMeO-CH=になっています。 ピルビン酸の末端CH3-CO-がCH=C(-OH)-COOMeとなってオルトギ酸メチルを攻撃することが必要です。 酸性アルドール反応と考えると、 CH=C(-OH)-COOMe+AcOAc→CH=C(-OAc)-COOMe + AcOH (これが酸か?) (MeO)3CH + CH=C(-OAc)-COOMe → (MeO)2CH-CH-C(=O)-COOMe + MeOAc ここで上手いこと抜けたメトキシがアセチル基を連れ出して呉れます。ここのところがPerkin反応に似てますね。 (MeO)2CH-CH-C(=O)-COOMe + AcOAc → (MeO)2CH-C=C(-OAc)-COOMe さらにもう一度MeOAcが抜けて (MeO)2CH-C=C(-OAc)-COOMe → MeOCH=CH-C(=O)-COOMe + MeOAc 最後にメトキシが抜けるときの位置関係からE体が出来るようですね。 AcO \ MeO C-COOMe \ /(←ここ二重結合) H-C-C / \ MeO H → H CO-COOMe \ / C=C / \ MeO H
お礼
遅くなりましたが、 >>(E)-4-メトキシ-2-オキソ-3-ブテン酸メチル(CH3O(CH)2(C=O)CO2CH3) >構造が違うー。ブテン酸だから二重結合があるし、主鎖の炭素が足りないよー。 構造は合ってますよ。ただ表記がまずかったかも知れませんが。 なぜ選択的にE体が生じるのか、ヒントになりました。ありがとうございます。
CH3-C(=O)-O-C(=O)CH3/heat ⇔ CH2=C=O + CH3COOH 上記反応に従い無水酢酸が熱分解をお起こし酢酸が生じてきます。これが触媒の働きをします。 CH(OCH3)3 + H^+ →[ CH3O^+=CH(CH3)] + CH3OH [ CH3O^+=CH(OCH3)] + CH3-C(=O)-COOCH3 → (CH3O)2CH-CH2-C(=O)-COOCH3 (CH3O)2CH-CH2-C(=O)-COOCH3 → (CH3O)CH=CH-C(=O)-COOCH3 + CH3OH 尚、最後の段階が無水酢酸との加熱によるβー脱離です。 Perkin反応の機構と似ているところはありますね。
お礼
遅くなりましたが、回答ありがとうございます。 無水酢酸との加熱によるβ-脱離、 それから、酸触媒になぜはじめから酢酸を用いないのか、 以上の二点が未だにしっくりこないので、後、自分で調べてみます。