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売却物件に面する私道の地役権設定
この度、父の他界を機に田舎の家(恐らく都市計画区域外の土地)を 売却処分しようと不動産屋に相談したところ ・家に面した道が私道であるため、地役権を設定しなければ 買主が銀行ローンをくめない ・私道の所有者がその道を担保の一部にして破産、融資元の金融機関も 破綻し、現在は整理回収機構の管理下にあり、地役権の設定が非常に 困難 ・この状態から地役権を設定しようとすると莫大な費用がかかる というようなことを言われました。 予想もしていなかった複雑な展開に困惑しております。 やはり地役権の設定は難しいのでしょうか? 買主が銀行ローンを組める状態にして売却したいのですが 何かよい方法はないでしょうか? アドバイスのほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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- kuri_kurio
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ご回答が遅くなりましたことをお詫びします。 さて、都市計画区域外により「接道義務」がないとのこと あまり良くない状況かもしれません。 ご存じかとは思いますが、土地と道路の関係について 1つは「接道義務」という土地上で建築行為を行う際の問題があります。 今回のケースの場合都市計画区域外とのことで一見大丈夫そうですが 建築確認申請についてはどうでしょうか? その土地で、今後新築や増改築をされる際、費用を全て預貯金などで 負担される場合なら建築確認申請は不要かもしれませんが 金融機関のローンをご利用になる場合は、確認申請を取ることが 条件になる場合があります。 2つめに「通行利用」の問題があります。 私道が位置指定道路や開発道路ではなく、登記簿上の地目も 「公衆用道路」になっておらず、完全に個人の所有する私有地であった場合 その私有地を周辺の方に利用させるかさせないかは所有者の自由ということ になります。 私道の所有者がその土地を造成・販売した業者であれば 突然に「明日から私道を使わないでくれ」等と言うとは考えにくいのですが 万が一倒産してしまったり、何らかの事情により第三者に売買した場合 新所有者が「明日から私道を使わせない」「使うなら通行料を払ってくれ」と 言ったり、極端な話、私有地なので建物やブロック塀を建てることも 自由に行えることになり、周辺土地所有者は拒否することができません。 ※囲繞地通行権というものがあるため完全に塞ぐことはできませんが 徒歩で通行するのに支障がない程度(1~1.5m)有ればよいと される例が多く、この場合自動車での進入は不可能になります。 3つめに「道路の維持管理」の問題があります。 将来的に道路の路肩がくずれたり、経年劣化はもちろんのこと 震災などを原因として隆起や陥没など大きな被害が出た際 いったい誰が直すのか、補修費用はどのように負担するのかが 大きな問題になることがあります。 きちんと舗装してある場合はそうそう自然に劣化はしないかも しれませんが、ひとたび大きな地震が起こると隆起や陥没など 大きな被害が出ることもあります。 将来的にこのようなトラブルを防ぐため、土地を所有されるのであれば その道路部分にも当然に所有権や地役権などの権利を有し、 私道所有者や第三者に対して「道路を使う権利がある」ことを 明確にしておく必要があるのです。 脅すわけではありませんが、過去には倒産した建築業者から 私道部分を譲り受けた非社会的団体が、私道の入り口に 「この道通るべからず ○○組」などと立て看板を立てるケースも ままありました。 このような最悪の状態になってしまうと、その道路を使わないと 入れないような土地は誰も欲しがりませんし、資産としての価値や 銀行等へ対する担保価値も激減することになるでしょう。 と、最悪なケースをご説明させていただきました。 解決するために考えられる方法については次回に。。
- kuri_kurio
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ご事情を説明くださいましてありがとうございます。 さて、近隣の方も含めてお父様も家を建てられていることから 建築については問題がなかったようですね。 お父様がこの土地を購入された際、建物を建てられる際に 私道所有者の「同意を得ること」等の記載があったり または同意書そのものがありませんか? そのような書類が見つからなかった場合でも 現状でお父様の家を含めて数件の家が建っており 下水道が私道部分に敷設してある状況を見る限り もしかすると、その私道は役所から公道に準ずる道路と 認められた「道路位置指定」を受けたものかもしれません。 その土地を管轄する市町村役場の建築指導課などに 現地周辺の地図をご持参になるなど一度ご確認下さい 位置指定道路であれば公道に準ずる扱いですから 例え私道の所有者といえども、道路の通行を禁止したり 道路上にブロック塀などの工作物や建物などを建てる ことはできないうえ、将来この私道が不要となった際に おいても、位置指定を廃止するためには私道を利用する 周辺土地所有者全員の同意が必要であるなど 簡単にはできないようになっています。 これら事情から、「位置指定道路」であれば、その私道部分の 所有権や地役権がなくても融資が下りる場合があります。 将来の買主が借り入れを行う銀行や、融資担当者によって 違いがありますので100%大丈夫だとは言い切れませんが なにもない状態よりかはずいぶん売りやすくなるのでは ないでしょうか? ちなみに私どもでも過去に同様の事例があったのですが、 A銀行では「位置指定道路」の意味をご理解いただけず マニュアル通りに「道路の所有権か地役権をつけないと融資不可」と 断られたのですが、B銀行では無条件で融資OKだったことがあります。 このあたりも含めてもう一度不動産屋さんにご相談されてみては いかがでしょうか?
- kuri_kurio
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現在問題となっている土地について もともとお父様はどのような目的で購入されたものなのでしょう? 生前に目的についてお聞きになっていらっしゃらなかった場合 土地の形状や周りの環境や様子から、どのような目的として 使うのが最適な土地だと思われますか? この場合、具体的にではなく「強いて言えば・・・と、思う」で構いません。 住宅用地? 別荘地? 資材置場や家庭菜園として? また、同じ私道を使っている周辺の土地に住宅等の建物が 建っている等、そこで生活されている方はいらっしゃいますか? 水道や下水、電気については完備されているのでしょうか? 恐れ入りますが、これらの点について わかる範囲で結構ですのでお教えいただけないでしょうか? なお、現状のご質問内容から見て 私道部分の面積が少ない場合(~100坪程度)かつ 回収機構以外の債権(抵当権)がない状態に限りますが 整理回収機構に対して地役権の設定をお願いするのではなく 私道部分の買取りをしたいと提案なさってみはいかがでしょうか? みてはいかがでしょうか?
補足
kuri_kurioさん 丁寧にお聞きいただいて恐縮いたします。 早速質問の件について答えさせていただきます。 父は都市部で定年退職後、 終の棲家として田舎にこの土地を購入して家を建てました。 結構材質にこだわって家屋を建てましたので、 家に関しては来られるほとんどの方に褒めていただけます(築約10年)。 それが売却するにあたって道路でこのような苦労をすることになるとは 思ってもみませんでした・・・。 同じ私道沿いにはうちを含め4~5件の家があり、うちより早くからそれぞれ生活しておられます。 水道、下水、電気については何の問題もありません。 不動産屋の話では、回収機構以外にも1軒所有者がおり、地元銀行の担保に 入っている可能性があるとのことです。 やはり地役権の設定は困難でしょうか。 いろいろと複雑な土地なのですが 良きアドバイスをいただけますよう どうぞよろしくお願いいたします。
お礼
丁寧なご説明誠にありがとうございます。 金融機関によっては融資が降りる可能性があることがわかり少しホッといたしました。 父の家は都市計画区域外の田舎にあるため、「接道義務」すらありません。 ですからこの私道が建築基準法で定める「位置指定道路」である可能性はないと思います。(建築基準法で定める「道」に接していなくても家が建てられるからです。) ただ「接道義務」すらない都市計画区域外の土地の評価に、不動産屋が言うほど私道の問題が影響するのかが疑問です・・・。 この点に関してまた調べてみようと思います。 kuri_kurio様のご親切には心より感謝いたします。 本当にどうもありがとうございました。