- ベストアンサー
具体的符合説・法定的符合説・抽象的符合説 - 法理論における概念の違いと判例の関係
- 具体的符合説・法定的符合説・抽象的符合説は、法理論における概念の違いを表しています。
- 具体的符合説とは、犯罪行為が具体的な法律の規定に合致するかどうかを判断基準とする考え方です。
- 法定的符合説は、法律の明文の規定に合致するかどうかを判断基準とする考え方であり、判例としてもよく用いられます。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
またずいぶんと面倒臭いところに足を踏み込んだものですね。 正直言えば、ウィキペディアの説明はあまり分かりやすいとは言えません。 厳密な話を抜きにして大雑把に結論だけ言ってしまえば、抽象的法定符合説とは日本での法定的符合説の別名であり、具体的法定符合説とは日本での具体的符合説の別名です。 ですから、判例は法定的符合説であるから抽象的法定符合説であるということになります。 何でそういう別名があるのかという話は一応簡単に後で触れますが、そう呼んでいるのが平野龍一先生なので著書を見ればきちんと書いてあるかと思います。しかしながら、はっきり言って刑法学者でもない限りどうでもいい話です。具体的法定符合説とか抽象的法定符合説という表現は全く載っていない本がいくらでもあるところで、知らなくても全然問題ない話です。忘れた方がいいと思います。おそらく法曹実務家でも知らない人の方が多いと思います。 なお、法定的符合説の中で実際に符合しているかどうか符合しているとして何罪の故意を認めるかという議論はまた別です。 錯誤論について細かい話をすれば幾らでもありますがとても書いていられないので「ウィキペディアの説明では分かりにくくて役に立たないので無視して」刑法の入門書を一冊きちんと読んだ方がいいと思います。 さて、役に立つかどうか分かりませんが一応簡単に説明しておくと、 抽象的符合説は大雑把には犯罪の意思があって犯罪の事実を実現すれば故意があると考えるので具体的事実の錯誤においても抽象的事実の錯誤においても(*)故意を認める(ただし、実際に成立する犯罪については諸説あり)。 法定的符合説は大雑把には犯罪の意思と実現した犯罪の事実との間にある程度抽象的ながら構成要件的な一致が必要と考えるので具体的事実の錯誤では故意を認めるが抽象的事実の錯誤では故意を認めない。 具体的符合説は大雑把には犯罪の意思の具体的内容が実現した犯罪の具体的な事実と一致していなければならないと考えるので具体的事実の錯誤においても抽象的事実の錯誤においても故意を認めない(ただし日本の場合は、純粋な具体的符合説ではないのでそれゆえの具体的法定符合説という呼び名であり、それと対比しての抽象的法定符合説という呼び名)。 です。 そして、抽象的符合説は故意を認める範囲が広すぎるので支持者が少なく(といってもいないわけではない)、日本での具体的符合説は範囲が狭いとは言えども法定的符合説に近い面があり、ドイツ法学の影響もあって割りと有力であるが、判例は一貫して法定的符合説ということになっています。 (*)「具体的事実の錯誤」と「抽象的事実の錯誤」の意味は、本で調べてください。
お礼
ありがとうございます!意味が重複していたのですね、、、 もうちょっと勉強してみます。ありがとうございました!