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血液製剤を100パーセント安全にできないのは?
非加熱製剤が問題を起こしたのはわかりますが、現在製造されているものも100パーセント安全でないというのは、なぜなのでしょうか?加熱だけでは、未知既知のウィルスその他に対抗できないのでしょうか? また、過去製造された非加熱製剤が問題を起こしているのは、ある程度の高確率でウィルス混入剤があったということなのでしょうが、それほど血液に問題ある人が巷にいると考えたほうがよいのでしょうか?今でも、もし加熱処理しなかったら、どうように危険な薬品が出回るのでしょうか?
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>現在製造されているものも100パーセント安全でないというのは、なぜなのでしょうか?加熱だけでは、未知既知のウィルスその他に対抗できないのでしょうか? 加熱法だけがウイルス不活化・除去法ではありません。 血液製剤の安全性を保つ為に http://www.ketsukyo.or.jp/blood/blo_03.html のような対策が取られています。 それでも、未知の病原性のある物質を100%確実にシャットアウトとは言えませんね。 なぜなら、HIV(ウイルス)が発見される以前に、病気としては、原因不明とされながら、後天性免疫不全症候群が広まっていた現実があります。 現在一番危惧されている新しい感染症としては、トリインフルエンザウイルス(遺伝子変異して人間に感染)、重症急性呼吸器症候群 (SARS) 等がありますよね。 そのようなウイルスが、血液製剤に何らかの原因で混入したとしたら、不活化・除去が100%安心できるのか? 人間の英知とウイルスの変異との戦いでもあります。 >過去製造された非加熱製剤が問題を起こしているのは、ある程度の高確率でウィルス混入 下記の血液から作られる血液製剤を見て頂くと解りますが、 http://www.ketsukyo.or.jp/blood/blo_02.html 血液成分製剤は一人の血液から一つの製剤が製造されますので、一人の感染者が存在したとして、そこから感染の危険が及ぶのは一人です。 しかし、血漿分画製剤は薬となる成分が一人分では少ない為、沢山のヒトの血漿をプールして製造します。 それで、一人でも感染血液が混じると、そのロット全てに感染の危険が及ぶのです。(これを防ぐ対策は上記にありますね。) >もし加熱処理しなかったら、どうように危険な薬品が出回るのでしょうか? 加熱処理だけではないという事はお解りですね。 闇のルートで原料を確保しているのではありません。 血液製剤の原料となるのは海外では以前は売血が多いと聞いていました。現在の状況は解りませんが、感染を防ぐ対策は取られるいると思います。 国内血から製造される場合は、皆様ご存じの献血です。 HIVも海外からでしたし、トリインフルエンザ、SARS、クロイトフェルツ・ヤコブ病も日本での発症は聞きませんね。 そういった意味では国内血が安全ですが、全世界で使用される血液製剤の7,8割(1985年頃はそのように聞いていましたが現在は減)を使用していた頃もあり、国内血の自給自足では賄えない血液債剤の使用量なのです。 これは、国民皆保険の恩恵でもあります。 >製品になってある程度長期保存した後に検査すればと思ったのですが、こういうのもできないんでしょうか? この対策も取られていますね。(上記サイトにあります) 製品になってからではなく、「原料血漿の貯留保管」です。製品を検査すると、検査後の汚染が保障できませんから、原料段階で行うのです。 つまり、現在の命を助ける為に、感染等の危険性が0ではないが、利益が大きい場合にのみ、使用するのです。 もちろん、エホバの証人のようにご自身のお考えで使用なさらない事も自由意志だと思います。 質問者様は2年前の手術で使用なさったとの事、お元気なようで何よりですね。2年前も含めて、現在は何方に何番のロットを使用したか記録を残すようになっています。 以前と比較すると、安全に使用する為に現状で取れる対策は取られていると思います。
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- chie65536
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・加熱の限界 血液の有効成分よりも病原物質の方が熱に対する耐性がある場合があります。 もし、病原物質が壊れるまで加熱すると、血液の有効成分の方が先に壊れてしまい、薬剤としての意味が無くなります。 ・フィルターの限界 血液の有効成分よりも病原物質の方が遥かに小さい(例えばウィルスのように)と、フィルター等で濾す事も出来ません。 ・病原物質の保有の不知 病原物質を保有(キャリア)していても、発病しなければ保有に気付きません。その為、病原物質を持っていると知らずに献血する場合があります。 ・売血による汚染 献血ではなく、血を買い取る所に行って売血する人が居ます。こういう売血所はモグリが多く、ちゃんとした感染検査は行われません。献血のみでは絶対的に血液が不足し賄い切れないのが明白なので、製薬会社は危険を承知した上で、そういう「危ない血」を裏ルートで仕入れます。
補足
ありがとうございます。 製造限界のことはよくわかりました。 感染検査の限界もわかったのですが、製品になってある程度長期保存した後に検査すればと思ったのですが、こういうのもできないんでしょうか? 検査に費用がかかるからなるべく検査したくないという流れがあるのですね。しかし、今も製薬会社がそんな裏ルートを使っているのでしょうか?それは信じがたいですけども。
例えば、BSEのプリオンのように凍結しても過熱してもBSEを発生させてしまうように、100%ということは困難でしょう。 加工の段階で、1人分の血液からは必要な量の製剤が作れない関係で複数の方の血液を混ぜてしまうことになります。そうすれば、1名そういった問題の血液があっただけで、その血液を使った製剤のロットはアウトです。 簡単に言えば、ウィルスは人の細胞と同類の性質を持っていると考えてみてください。ウィルスをたたけば人の細胞もダメージを追います。ウィルスだけを死滅させることは今の医学でも出来ていないんですよね。 かぜウィルスでさえ、ウィルスを退治できないんですよ。今の医学では症状を緩和するしかない状況です。 ですから、加熱処理しなかったらどんな病気が感染するかわからない状況です。
補足
ありがとうございます。 2年前血液製剤を手術で使用したので興味を持ちました。 検査ですり抜けるのがあるというのはわかったのですが、それを長期間保存して使うときにもう一度検査って言うのはできないものなんでしょうか?
お礼
ありがとうございます。 現在は、できる限りのことをやって製品化している印象があります。改めていろいろかくにんできました。