「近似」と仰る意味によって話が違います。
A: とびとびの(X,Y)における「計測データ」しかないので、計測しなかった(X,Y)における値をソレナリに推定したい。
B: 理論的にZ(X,Y)の関数の形が分かっているが、未知の係数を幾つか含んでいる。「計測データ」に含まれる誤差の影響を除いて、この関数の係数を決めたい。
どちらでしょうか。Aの場合は補間法(内挿法, interpolation)を使い、Bの場合はフィッティング(当てはめ, fitting)を行います。
いずれにしても、曲面がどんな種類の関数であるか(これをモデルと言う)を決めておいて、そのパラメータ(係数)を計算するというやり方をします。
A: 補間法で、(X,Y)が格子点になっている場合によく使われるのは、双n次多項式補間(ラグランジュ補間)です。たとえば双3次補間では、Xについて3次式、Yについても3次式であるような多項式
Z(X,Y) = (a[3,3] X^3 + a[2,3] X^2 + a[1,3] X + a[0,3])Y^3 + (a[3,2] X^3 + a[2,2] X^2 + a[1,2] X + a[0,2]) Y^2 + (a[3,1] X^3 + a[2,1] X^2 + a[1,1] X + a[0,1])Y +(a[3,0] X^3 + a[2,0] X^2 + a[1,0] X + a[0,0])
を使って、4個の格子点(計測点)を四隅とする矩形の内部での値を計算します。この式の16個の係数a[3,3], a[3,2], …は、前記の矩形を囲む4×4個の格子点での測定値を使って計算します。すなわち、曲面Zがこれら16個の格子点において測定値と一致するように係数を決めるのです。(上記の式は未知の係数a[0,0], a[0,1], …について1次式になっていますから、連立1次方程式の問題であり、簡単です。)格子点4個で囲まれる矩形ひとつずつについて、16個の係数を計算することになります。
最も簡単なのは双1次補間で、格子点4個で囲まれる矩形の内部を、四隅の4個の格子点での計測値だけで決まる係数で表します。すなわち、
Z(X,Y) = (a[1,1] X + a[0,1])Y +(a[1,0] X + a[0,0])
です。(実用上、これで十分であるような場合も多々あります。)
なお、測定点が格子になっていない場合には、スプライン補間が使えます。(幾つもバリエーションがありますが。)
B: フィッティングにおいては、全ての計測値を使ってひとつの式Z(X,Y)の係数を決めます。そうして決めた曲面Z(X,Y)は、各測定点(X,Y)に於ける測定値と必ずしも一致しません。このずれは、測定値の方に誤差がある、と考えるのです。
フィッティングにはANo.1にある最小二乗法を使うのが普通です。特にモデルが多項式
Z(X,Y) = a[0,0]+a[1,0]X+a[0,1]Y+a[1,1]XY+a[2,0](X^2)+a[0,2](Y^2)+…
であるとき、未知の係数a[0,0], a[0,1], …を決める訳ですが、この式は(変数の数や次数が幾つだろうと関係なく)a[0,0], a[0,1], …について1次式になっていますから、線形最小二乗法で簡単に計算できます。
なお、各測定点における測定誤差のばらつきが分かっている場合には、重み付き線形最小二乗法を使うのが適切です。
という訳で、どういうツールを使うか以前に、何をやりたいかをはっきりさせる必要があります。
お礼
回答ありがとうございました。 ご丁寧にご説明いただきありがとうございました。 私が知りたいのは後者の方です。 簡便に使えるツールとして使いたいと思っております。 よろしくお願いします。