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物質、物体には実体と鏡像が重なるものと重ならないものがありますが、その違いがその物質、物体のどのような形の相違によるものなのかを、右手と左手を例にとって教えてください! よろしくおねがいします!!!
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簡単な喩え話で説明します。 三次元空間で、直交する三つの単位ヴェクトルを取り、ヴェクトルに、1,2,3というように名前を付けます。 三つのヴェクトルは単位ヴェクトルで長さは同じで、互いに、90度づつで交わっています。どこかの点から三つのヴェクトルを伸ばすとき、例えば、三次元のx,y,zの座標系で考えると、原点から三つのヴェクトルを伸ばすと、x軸の方向に1のヴェクトルを置くと、あとの2と3のヴェクトルは、二つの可能性が出てきます。 一つは、2がy軸、3がz軸です。そしてもう一つは、2がz軸、3がy軸です。 ヴェクトル1,2,3が、x,y,z軸に重なるような三つの直交ヴェクトル系を、「右手系」と呼びます。1,2,3がx,z,y軸に重なるようなヴェクトル系は、「左手系」と呼びます。 直交する三つの単位ヴェクトルに1,2,3という名前を付けると、三次元空間には、右手系と左手系のヴェクトルの組しかないのです。 三つのヴェクトルは自由に回転させることができ、例えば、1がy軸、2がz軸、3がx軸のようなヴェクトル系は、最初に述べた右手系ヴェクトルと、1,2,3の数字のヴェクトルがぴったり重なるように回転してできます。 しかし、右手系のヴェクトルと左手系のヴェクトルは、三次元空間のなかで、どんなに回転させても、1,2,3が重なることはありません。 何故、右手系、左手系という名前がついているかというと、右手の親指、人差し指、中指を、互いに直角になるように立ててみてください。この時、親指を1、人差し指を2、中指を3とすると、三本の指は、三次元空間の「右手系」になっているのです。 それに対し、同じようなことですが、左手でも、指に数字をつけ、親指を1、人差し指を2、中指を3とすると、この三本の指は、実は、「左手系」になっているのです。 注意深く調べると分かりますが、右手を鏡に移すと、指の配置が左手と同じになります。 これは、右手系を鏡に映したとき、その像は、左手系になるということなのです。その逆も成り立ちます。右手系と左手系は、「鏡像関係」にあると言います。右手と左手も、鏡像関係にあるのです。 そこで、物質は、普通、三次元の結晶でできています。 右手の三本の指を直角にして、この三本の根元のところに、炭素(C)原子があるとします。炭素が、三つの種類の違う原子と結びついている場合、親指の先にA1原子、人差し指の先にA2原子、中指の先にA3原子があるとします。 A1.A2,A3は何でもよいのですが、異なる原子だとします。 左手の指で、同じようなことを考え、親指にA1、人差し指にA2,中指にA3原子だとします。 すると、この分子、CA1A2A3は、分子式は同じですが、三次元空間のなかで、幾ら回転させても、重ならないというか、A1,A2,A3がCに結合している順番が異なります。 それは、この二つの分子が、右手系と、左手系になっているからです。この二つの分子は、鏡像関係にあるので、鏡に映すと、右手系は左手系に、左手系は右手系になります。 上は、非常に単純な、モデル化した分子の右手系と左手系の話です。そして、こういう風に、右手系と左手系に区別される分子・物質、つまり、三次元空間のなかで、幾ら回転しても重ならない二種類の分子は、鏡に映すと、その鏡像同士は、互いに重なることになります。 そこで、問いの答えですが、実体が鏡像と重ならない物質というのは、右手系と左手系の区別がある分子でできた物質ということになります。実体が右手系の場合、鏡像は左手系となり、この二つは重ならないからです。 では、実体が鏡像と重なる物質というのは、どういうことかというと、これは、分子に右手系と左手系の区別がない分子でできている物質がそうです。 例えば、四塩化炭素という物質があります。これは、中心に炭素があり、炭素に四つの塩素原子が結合している分子です。水のように液体の形だと、こういう形に分子はなっています。 この物質は、炭素に四つの塩素が結合しているので、右手系も左手系もないのです。 単純な物質の分子や結晶で、右手系と左手系の区別がない場合は、鏡に映した像も実体も同じであり、重なり合うのです。 これは、しかし、話を非常に単純化しているのであって、分子式で見ると同じ形をしているのに、原子の配置を考えると、右手系、左手系というような二つの区別ではなく、原子がどういう風に結合しているかで、色々な区別が分子にできます。これを、「異性体」と言います。 異性体のなかでも、重要なのが、右手系、左手系という区分で分けていた、「鏡像関係」にある異性体です。これを、「鏡像異性体」または「光学異性体」と言います。何故これが重要かというと、有機化合物は、一般に光学異性体を持つからです。 右手系、左手系というのは説明のための概念で、実際の分子では、どの原子または基から順番を付けて行くかで、話が違って来るので、右手系とか左手系とは言いません。左旋光(D体)と右旋光(L体)と言います。 有機物、アミノ酸とか糖は、人間や地球上の生物の身体を構成している分子ですが、これらは、すべて、右旋光(L)の光学異性体です。人工的に有機分子を合成すると、DとLが半々できます。このように、人工合成した有機分子は、DとLの混合体で、ラセミ体と言います。 わたしたち人間は、鏡に映した像は、実体と重なり合いませんし、更に、分子レベルでも、右旋光の光学異性体だけでできているので、分子レベルでも、鏡像は、実体と重なり合いません。 しかし、ラセミ体は、個々の分子では、LがDに、DがLになって違うのですが、全体としては、同じ、DとLの半々の混合物になり、実体と鏡像が、或る意味で重なるとも言えます。 >光学異性体 >http://homepage2.nifty.com/organic-chemistry/kogaku-iseitai.htm
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- Mell-Lily
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右手を鏡に映してみてみてください。すると、鏡に映った右手は、鏡に映していない左手と同じになるでしょう。このように、一方を鏡に写したとき、他方と同じになるような二つのもの、つまり、右手と左手のようなものを、鏡映対象の関係にあると言います。化学物質で、このような構造を持つものは、その光学的性質が異なるので、光学異性体と呼ばれます。その物質に光を当てた時、光の回転する向きが逆になります。また、生理的作用が異なることもあります。この前、名古屋大学の野依義治教授が、ノーベル化学賞を受賞しましたが、授賞対象の研究テーマは、右手系の化学物質と左手系の化学物質の作り分けでした。
- guiter
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化学の専門家ではありませんので、一般的な鏡像対称の話として参考にしてください。 まず、2次元の世界で対称的な形とそうでないものを比較してみます。 (1) A、B、E (2) F、G、J グループ1が実体と鏡像が重なる対称的な形、 グループ2が非対称な形となっています。 ここで、共通点について考えてみるとグループ1の対称的な形のものには 対称線が引けることがわかります。 たとえば、Aという文字の場合真ん中を縦に割った線上に鏡を置くと 元と同じAという文字が見えます。 B、Eも同様に真ん中横向きに対称線があります。 一方、グループ2のほうはそのような線が存在しませんね。 同じことを3次元の物体について考えると、 対称的なものは対称面が存在することがわかります。 球や円柱などは対称面が存在し、右手左手などには対称面が存在しません。 この対称面の数や方向によってその物体がどういう群に属するのかなどは 群論という数学を学べばよいと思います。
- acacia7
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光学異性の話ということで行きます。 ・・・とその前に、ベクトル空間の話をしませう。 1つのベクトルを考えます。 ベクトルには始点と終点があります。 さて、1次元の空間ではベクトルはこの空間にそってずらすことを考えます。 すると、始点と終点の方向が違うものはずらすことでは重ね合わせることができません。 これが鏡像です。 つぎに2次元空間を考えると一本のベクトルがx軸に対し、正方向をむいていても、 負方向を向いていても、くるりんとまわすことで重ね合わせることができます。 ここで、2つのベクトルで構成されたユニットを考えます。 始点を共有し、90度ずれたベクトルのユニットとすると、 ベクトルaがx軸正方向、ベクトルbがy軸正方向を向いている場合と、 ベクトルaがx軸負方向、ベクトルbがy軸正方向をむいている場合では、 2次元平面をずりずりとずらすだけでは重ね合わせることができないわけです。 で、この二つのベクトルユニットも鏡像なわけです。 最後に三次元空間です。 1つのベクトルでも、2本のベクトルユニットでもくりくり回せば重ね合わせられます。 ところが、三本のお互いに直交したベクトルのユニットを考えると・・・ 最初の二つのベクトルa,bが作る平面に対して、ベクトルcが指す方向は2つ考えられるわけですが・・これは三次元空間をくりくりまわしても、重ね合わせることができないのです。 そして、以上の共通項を考えると、「空間を張ることができるベクトルユニットは鏡像を持つ」です。 つまり、三次元空間では3つのベクトルのユニット・・これは2次元以下に収まってはいけないのですが・・が出きれば、鏡像を持つことになります。 さて、三本のベクトルのユニットができるためには・・ 始点が1つ、終点が3つ必要で・・この4点が区別できる必要があります。 なぜならば、ベクトルaとベクトルbが区別できなかったらいくらベクトルcがあろうともその鏡像と区別できないからです。 で、右手と左手を考えると・・ 手のひらの中心に始点があるとして・・ 親指のベクトル、ひじのベクトル、手のひらのベクトルの3つが考えられ、 親指とひじの張る平面に対して、手のひらのベクトルが 右手と左手で逆になることがわかると思います。 つまり、手のひらと手の甲が区別できるわけです。 ここへ来て、やっと光学異性の話にはいるわけですが・・ 窒素原子の3つの手にそれぞれ別の原子がついていたと考えてみてください。 すると窒素原子を始点、のこりの原子を3つの終点とするベクトルのユニットができます。 これは、3つの原子の順番によって弐通りでき、鏡像になるわけです。 ところで、有機化学でいう光学異性は中心に炭素があるわけですが・・ 4つある手のうちの3つが区別できればいいかというと・・そうではなく、 4つ全部が異ならないと、光学異性にはなりません。 つまり、2つの同じ基がついている場合、残りの2つのベクトルが張る平面を中心に、 左右対象になってしまい、鏡像と実像が同じものになってしまうからです。 ・・・・・なにを言いたかったんでしょう・・僕。(--;;; うーん。なんか参考になりました?