視覚:哺乳類としては例外的に優れている部類です。哺乳類は、視覚が弱く、色を分別する能力も低いのが普通です。人間の場合、色を識別する能力が高いのに加え、両目が正面を向いていて立体視ができ、対象物までの距離を測る能力があるのも強みです。ただし、肉食動物と比べ、動体視力は劣ります。それから、猛禽類のような驚異的な遠視力はありません(鷹やワシは、上空から、地上のネズミを見つけたりしますよね)
嗅覚:哺乳類としては劣る部類に入りますが、一般の地上生脊椎動物としては、まあ、かなりのものでしょう(じつは、爬虫類から鳥類への進化の過程で、嗅覚が衰え、視力がアップするという変化が起こっているのです。鳥はあまり鼻が利かないようです)
聴覚:哺乳類としては劣る部類に入りますが、哺乳類の聴覚は、他の陸上生脊椎動物と比べ、圧倒的に強力ですから、人間の耳は、特に弱いものではありません。爬虫類と哺乳類の進化上の区切りのラインは、内耳の構造が3つの骨で音を増幅できるようになった時点に引くことが多いです。また、哺乳類は大きな外耳をもっていて音を収集しやすい構造になっていますが、人間の外耳は、他の多くの哺乳類のものと違い、自分の意志で動かすことが出来ませんから、音源の方向を特定する能力が哺乳類としては弱い部類に入ります。
味覚:味覚はよく分かりませんが、敏感な部類じゃないかと思います。犬、猫は、ほとんど味わって食べているのか、分からないくらいです。ちなみに、鳥は唐辛子を平気でたべます。鳥は唐辛子の辛さを感じないらしいのです。鳥の場合、哺乳類と違って歯ですりつぶすという動作が無いので、唐辛子の種をそのまま未消化でフンにしてまきちらしてくれ、唐辛子としては、効率よく子孫の生存地域を増やすことが出来るのです。ただ、日常生活でいう「味覚」は厳密な味覚だけではなく、嗅覚に多いに左右されます。
触覚:毛・羽・鱗のように、体を覆うものがなく、直接、肌を露出していますので、敏感な部類ではないでしょうか。