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小泉政権は社会にどのような影響を与えましたか?
自分はワーキングプアに該当する二十代の男です。明日も派遣で日払いの仕事してきます。 自分は政治に疎くていまいち分からないのですが、時々、小泉政権や構造改革によって、貧困層やワーキングプアが増加したという話しを聞きます。 小泉政権や構造改革とはどういうものだったのでしょうか?教えて下さい。宜しくお願いします。
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再度NO1です。 経済学には、1.<供給側>を重視する経済学と2.<需要側>を重視する経済学と、二つあります。小野教授は、動学という立場から、インフレ時とデフレ時では異なる経済政策に立つべきであると主張しています。 1.<供給側> 財政支出切りつめによる政府のスリム化と民間の「リストラ」という構造改革により、経済の市場メカニズムを信じてそれを活用しようとするものである。これは、企業の効率化(要は、派遣社員の増大や、アウトソーシングにより正社員のリストラ化を図ることです)や非効率な政府部門の縮小によって、経済全体の生産力という供給の側面を改善することにより、景気を回復させようとする考え方のことです。マネタリズムやニューケインジアンはこちらのグループです。ケインズという名前がついているから、ニューケインジアンが、需要側を重視するかと言えば、それは本質を見ていません。ラベルにこだわると本質が見えなくなると言う好例です。 <供給側>の政策を取るとこうなります。まず失業者の存在は、失業者にやる気がないことになります。何故なら、供給に見合う需要が必ず創出されると言う仮説に全面的に基づいているからです。従って、そういう失業者を切り捨てるために、例えば、社会保険を見直し、生活保護制度も、生活保護を受けるような人間にやる気がないので、出来るだけそうういう社会福祉制度をなくす方向に向かいます。これは良い悪いの話ではなく、論理的な帰結です。また、職業訓練をしてスキルを身につけさせれば失業は解消されると言う結果になります。 労働市場の不完全性が原因で起る失業は、例えば、労働組合のストライキによって賃金を高水準に保っているため、企業は需要に応じて、賃金をきめ細かく決めることができないため、需要量や価格に関する情報がうまく伝わらずに、需要と供給のアンマッチが生じ、失業者が増大するという考え方になります。この考えをとっているのが、ニューケインジアンです。ここで、重要なのは、ケインズは、経済全体の需要が不足するため、雇用機会(働けるチャンス)が失われる、非自発的失業が増大すると考えましたが、ニューケインジアンは、そのようには考えないで、あくまで供給側の要因によって失業者が増大すると考えていることです。詳細は述べませんが、ニューケインジアンは、ケインズ主義とは全く異なるグループに属しています。 小泉元首相は、2001年に、2兆7千億円の補正予算を組み、数十万人の失業者の受け皿として、新・緊急地域雇用特別交付金や職業kんれん期間中の失業手当の拡充を図りました、それによって、公立学校の臨時教員や駐車違反取締りの支援要因、森林作業員などを増やしましたが、雇用期間は、原則六ヶ月未満であり、最高でも一年と言うものでした(日本経済新聞2001年10月15日付け)。失業者に仕事を与えるべきだと言う風にここで、小泉首相は学んだと言うことです。これは単純な構造改革よりはまだましであり、その点で評価は出来ますが、一方では、長期的事業の凍結により財政資質を切り詰めると言う、全くアンバランスな政策を取っており、政策課題の優先性を全く理解していないと言う、自分のやっている政策の意味を本質的には理解していないことを露呈させました。例えば、毎年ゴミ処理施設や産廃処理施設の立替や新規事業に1兆円ずつ10年や15年計画で進めると言えば、上のような不安定な雇用ではなく、安定した雇用が生まれ、廃棄物処理技術への技術開発も進み、将来の戦略産業になるかもしれません(誤解だらけの構造改革P218~)。 字数の関係で述べませんが、マネタリズムなど<供給側>の経済学は、感覚的、刹那的な庶民感覚の正義感に訴えるため、小泉元首相は人気がありましたが、自殺者の増大、格差拡大、失業者の増大、また派遣社員の増大、正社員の縮小、という減少を生み出しました。これは、小泉元首相には、長期的ビジョンが全く欠けていた、お雇い学者の竹中氏にしてやれてたということです。竹中氏のような人間をまともな学者と見なすような発想がそもそもおかしいのです。安易な正義感やラベル貼りに終始すると、物事の本質が見えないと言う好例です。 長くなりましたが、経済は全体のメカニズムとデフレとインフレの時期により、政府はなすべき経済政策が異なるという経済動学を、もし、良かったら、私がアマゾンのURLを貼った本は、全て図書館で借りられますから、読んでみて下さい。
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- 63ma
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小泉の構造改革は、結局、自民党をバラバラにし、楽して大金を稼ぐ国民と、苦労して小金も稼げない国民を作り上げた事と、無節操な規制緩和で、国民の命を軽くしてしまった事。
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- earli-blue
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小泉政権がやったことは、年金改革にしても、道路公団民営化にしても、郵政民営化にしても形だけの中身が伴っていないものばかりです。 改革とは全く反対の事をしたと思います。 その結果今の歪みだらけの世の中です。 主に、 ・年金は100年大丈夫と大見得を切ったはずが、5年ももたないもの ・道路公団民営化でも結局は全線造る事にお墨付きを与えただけ ・郵政民営化も民間企業を圧迫し、採算重視による地方切捨て、民営化による国民への隠蔽、アメリカへの無償に近い形での資金流用 まったく歴史に輝く悪宰相です。 介護、職業斡旋、障害者自立支援・・・など規制緩和と言う甘い言葉を盾に国民が泣き寝入りするような結果を生むことばかりをやってきました。
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- IDN
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結局殆ど何もやっていないということじゃないですか? 構造改革というけれど本質的に言うと国民全体のコストの底上げをしている官僚の給与体系にも利権構造にも全く手が入っていないと思います。 一方で規制緩和云々と言っていましたが設計図も無くて場当たリ的、あるいは利権を死守しようとしたところに手をつけなかったのか?戦略的に考えてなく国民に利益を生み出すような道順は取られなかったと思います。 税も一緒で大企業などが税を払わなくて良いいという方向に一歩進んだのだと思います。 特定の誰かの利権のためということは全く変化もなく、かけ声は良かったけど結果を見れば利権が増すという結果もあったと思います。 結局官僚の給与を国民全体の平均としてでも定めない限り望む方向に進むように官僚がすすめることは無いでしょう。 官僚の更迭についても大臣をクビにしただけで小泉の時はメスを入れたということも全くなかったでしょう。 ただし税金をばらまくことで勢力を伸ばしてきた自民党という構図はかなり一蹴されたのだと思います。 問題人物が民主党に集まったという感じが強くなったのかと。 小泉の就任当初との老け具合を見ればわかる通り裏で画策する勢力はかなりのもので本丸と思われるところはまだ手もつけるリストにも上がっていないのではないかと思います。 年金の使い込みに見られるような税金を本来の目的以外に、たとえば天下り先を作るために会社をつくったり等に使われたお金を当事者から時効無しで回収するのだというような法律を作って初めて構造改革のスタートを切ったのだと思います。 巨悪を規制することは何もしないということが国民の不利益に働いているのだと思います。やろうとするのが数人で利権にしがみつきたいとおもって政治家に投票をする人間がいるうちは構造改革は難しい仕組みに日本のシステムはなっているのだと思います。 損害は政治家や官僚に行かずすべて国民がかぶる現行制度はけ無いといけないと思いますが、官僚も政治屋も排除してやるんだと国民が決意しないとならないと思います。 官僚に厳しくするといい人材が集まらないというようなことを平気で言える環境ではまずむりでしょう。 昔からある有名大企業が潰れて新興企業がでっかくなるなど企業の入れ替わりと言うか新陳代謝がおきない限りプアーなものは生涯プアーから抜け出せないんですよね。入れ替わりが出来る環境が構造改革の先にはあるものと思います。 派遣やパートは不利益を受けているのはそういう就業状態が駄目だと言っているからだと思います。 皆が正社員が良いというより一般社会同様に役所も全部契約社員や派遣などの入れ替わることを嫌った利権確保に動いているとしか思えません。 正社員でないものの方が本当はリスクを自分が負っているので給与も高いはず。となるには役所もバイトや派遣の方が多いという方向になって初めて改善されるのではないでしょうか? 若くても事務次官終わったら退社するというような人材なら派遣でいいはずですよね。能力評価で雇えますし。
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- omeger
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政治感によって解釈に隔たりがあろうかと思います。 小泉政権期間に生じた問題は、 (1)民間企業給与の減少 (2)非正規従業員の増大 によって庶民の生活難の問題が大きくなったことです。 ただし、それが「構造改革」政策の成果で「格差社会」になったのかというと、因果関係は完全には分かりません。 一連の(3)弱者に厳しい政策、を行ったとはいえます。が、これが原因かというと不明瞭な部分が残ります。 第一に、この種の「改革」は20年前の中曽根政権、10年前の橋本政権の代から始まっており、小泉政権特有の成果ではない部分が大きいです。むしろ、高成長を前提として作られていた日本の弱い社会福祉制度が、不況期にうまく適合できなかった面もあります。そういう観点では、悪い政策を行ったというよりは、真剣に救済策を行わなかったとも解釈できます。 第二に、民間企業の給与に関しては各企業や労使間の雰囲気に依存し、行政機関が直接決められないところもあります。時代柄、労働者の権利感覚の衰退、格差社会化は世界的な傾向として進行しています。 第三に、所得格差の増大は高齢化によるものとする意見もあります。 (1)民間企業給与の減少 1999年 平均給与461.3万円 300万円以下比率33.1% 2001年 平均給与454.0万円 300万円以下比率34.3% 2003年 平均給与443.9万円 300万円以下比率36.0% 2005年 平均給与436.8万円 300万円以下比率37.6% 出所:国税庁より作成 (2)非正規従業員の増大 2001年 27.2% 2002年 29.4% 2003年 30.4% 2004年 31.4% 2005年 32.6% 2006年 33.0% 出所:総務省 (3)弱者に厳しい政策? ・労働者派遣法改正 →派遣労働者の拡大 ・雇用保険法改正 →失業給付削減 ・最低賃金上げほぼ凍結 →現在の最低賃金は英や仏の半額 ・医療費自己負担3割 →低所得層が病気になると出費が痛い ・地方交付税削減 →建設業者及び依存度の高かった地域は喘ぐ ・障害者自立支援法 →自己負担の増大
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誤解だらけの構造改革 (単行本) http://www.amazon.co.jp/%E8%AA%A4%E8%A7%A3%E3%81%A0%E3%82%89%E3%81%91%E3%81%AE%E6%A7%8B%E9%80%A0%E6%94%B9%E9%9D%A9-%E5%B0%8F%E9%87%8E-%E5%96%84%E5%BA%B7/dp/4532149576 景気と経済政策 http://www.amazon.co.jp/%E6%99%AF%E6%B0%97%E3%81%A8%E7%B5%8C%E6%B8%88%E6%94%BF%E7%AD%96-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B0%8F%E9%87%8E-%E5%96%84%E5%BA%B7/dp/4004305764/ref=pd_sim_b_2/249-5428121-7259542 不況のメカニズム―ケインズ「一般理論」から新たな「不況動学」へ (新書) http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%8D%E6%B3%81%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0%E2%80%95%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%80%8C%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%90%86%E8%AB%96%E3%80%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AA%E3%80%8C%E4%B8%8D%E6%B3%81%E5%8B%95%E5%AD%A6%E3%80%8D%E3%81%B8-%E5%B0%8F%E9%87%8E-%E5%96%84%E5%BA%B7/dp/4121018931/ref=sr_1_1/249-5428121-7259542?ie=UTF8&s=books&qid=1187886595&sr=1-1 等読んで下さい。 要は、デフレのときは失業者が溢れ、更にデフレが進みます。それを抑えるために、政府が積極的に需要を増やす政策を打たねばならない、たとえ国債を発行してでも、2割の高取得者層から税金を取り、低取得者層にお金を回す必要があるということです。 これは、倫理的な問題ではありません。そうすることが、結局は高取得者層の利益にもなるのです。 小泉首相は、慶応大学卒ですね。あの大学は、誰も大学で勉強しない大学で有名です。皆さん、外の予備校で勉強するのです。要は、小泉首相が余りに無知だったと言うことです。
お礼
参考になりました。回答ありがとうございます。
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お礼
再度丁寧な回答をして頂き参考になりました。政治は難しく感じますが、なんとなく分かった気がします。ありがとうございます。