- ベストアンサー
小泉さん
小泉政権の「構造改革」の内容と問題点について知りたいのですが どなたか教えていただけないでしょうか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
私も小泉さんの構造改革について完全に理解している訳ではないのですが 理解している範囲で説明してみます。 構造改革というからには、今までの「構造」を変えようということなのですが、 何の構造かといえば、キーポイントは「財政」にあるかと思います。 今までの自民党政治の原型は誰が作ったかというと、田中角栄さんかと思います。 その手法について簡単に説明するとk、まず政府が特定の業界にお金を落とします。 例えば、公共事業を起こして土木・建設業界にお金を回します。また食料安保の 名目で農家に補助金を出したりもします。 そしてその見返りとして、それらの業界の票が自民党に集まり、政権を維持して きたわけです。 また実際の仕事はお役人がするわけですから、このようにカネが動けば動くほど 役所や関係団体の組織が拡大し、お役人がホクホクするわけです。 官僚は自分たちの権限が増えることを欲する人種ですし、関係団体がいっぱいで きれば、それだけ天下り先も増えますから。 こうして「政・官・財」の強固なトライアングルが完成するわけです。 角栄さんを少し弁護しますが、こういうことをしたからといって角栄さんが悪人 だというわけではないんですよ。高度経済成長時代には、こういう政策が実際に 有効だったんです。 工業や商業が急速に発展する中で、都会に集中しがちな資本を適度に地方に回す 役割を果たしました。山間部の過疎化は避けられませんでしたが、地方に中規模 の都市を育成できたのは、角栄さんの「日本列島改造論」のプラス面ではないか と考えています。 角栄さんがロッキード事件等で政治の一線から退いても、こういう手法は竹下・ 金丸氏に引き継がれていき、竹下氏が首相の時にほぼこのタイプの政治手法が 完成します。 私もそれほど知っているわけではないのですが、竹下氏のカネの使い方は凄い ですよ。一部を話しますと、竹下氏は対立する野党議員にもウラ金を渡してい たりしていました。そしてカネを渡した相手から野党の情報がダダ漏れになって いたりしたようです。こんな実情では、当時の社会党がどんなに力んでも全然 自民党の相手にならなかったですね。 また戦後の冷戦が続く中では、特定団体にカネを落として自民党の支持層を増 やすことは、一種の「必要悪」であったとも言えます。 冷戦下の日本には、労働組合等を通して、共産主義や容共的な人たちが勢力を 伸ばしていました。そういう勢力に対抗し、日本の自由と民主主義を守るため に、財界は経済団体を通して、積極的に自民党に献金を行いました。 ですので、パーティー券を買ってもらったり未公開株をもらうといったように 特定の企業・団体に頼らなくても政治資金を確保できたわけです。 汚職がまったくなかったわけではありませんが、KSD事件やリクルート事件 のような特定の企業や団体による贈賄は発生しにくい環境にあったのです。 しかし、冷戦の終結とその後の日本でのバブル崩壊により、状況は一変します。 冷戦が終結して、世界的に自由主義勢力が共産主義勢力に勝利することによって 日本の共産化の危機は遠のきました。それに伴い、財界全体での自民党への献金 が減っていきます。しかし政治家に政治資金は必要なので、自民党の政治家は 特定の企業・団体への依存度を高めます。リクルート事件や、KSD汚職事件 の伏線はここにあります。 またバブル崩壊のため、景気が悪化して税収が減収した結果、国の財政状況も 悪化します。そこで橋本政権の時に、財政構造改革が行われますが、従来の バラマキ型の支出を改めずに消費税Upによる増収による財政均衡を目指した ため、冷え込んだ景気がさらに悪化する結果となります。 景気悪化のため橋本政権が崩壊し、小渕政権が成立します。 小渕政権では、国債を大量に増発して借金し、そのカネを公共投資することで 景気を刺激する政策を取ります。 この政策はまぁまぁ当たりました。低迷していた株価は回復し、アメリカの IT好景気の影響もあって、幾分日本の景気が回復します。 しかし、小渕首相の急死により、この流れもストップします。 森政権は小渕政権の経済政策を継承しますが、森首相に対する信頼度は皆さん ご存知のとうりで、政権に対する不安感から、株価は再び低迷していきます。 その後小泉政権が発足するわけですが、小泉政権の基本姿勢は、財政均衡です。 しかし増税するとかつての橋本政権の二の舞ですので、支出を削減するしか ありません。国債の上限30兆円、特殊法人の民営化といった流れは、この支出 削減方針の延長上にあります。 しかしこういった政策はまさに「聖域」であり、今までの自民党政権のほとんど が手をつけることのできなかった内容でした。幾分手をつけたのは中曽根政権 のみです。 なぜかというと、田中角栄以来の利権誘導による「政・官・財」のトライアングル を崩すことにつながるからです。「政・官・財」のトライアングルの上にのっか って票集めをしてきた議員は、これらの政策に反対するしかありません。 そう、彼らが「抵抗勢力」の正体なのです。 それでは小泉政権の構造改革の問題点はなんでしょうか。 一つは低迷を続ける景気の問題です。数年は景気の低迷が続くと小泉さんが 何度も話していますが、まず間違いないでしょう。2~3年悪化する経済状況 に、企業と国民が耐えていけるかどうかです。 もう一つの経済大国であるアメリカの景気も低迷している現状では、小渕政権と 同様の手法をとったところで、同様の結果は望めないでしょう。 また既に日本の国債発行残高は天文学的な数字になっています。日本の株式市場 を半分支えている外資が、このことを知らないハズがありません。 さらに国債を発行して借金を増やせば、日本は投資対象として危険度が上がり (具体的には国債の格付けが下がり)、外資が日本の株式市場から逃げていく 危険性があります。株価が下がれば下がるほど、日本の景気は急速度に悪化して いきます。 もう一つの問題は、先ほどの景気の話にも関連しますが、国民が小泉政権を どれだけ支持し続けられるかです。 小泉首相は、与党である自民党内部に多くの抵抗勢力を抱えています。 日本が議会制民主主義である以上、議員の支持が足りなければ政権を維持でき ません。しかし抵抗勢力と言えでも、主権者である国民の意思を無視すること はなかなかできませんので、国民の顔色を見ながら少しずつ抵抗していくしか できないのですが、首相に対する国民の支持率が下がれば、一気に反撃に出る 可能性が十分にあります。
その他の回答 (2)
- tatomiver2
- ベストアンサー率4% (6/140)
アメリカとの事実上の「合併」を進めているだけのように思えます。
お礼
ありがとうございます
小泉内閣の「構造改革」の内容?それがあるならオレにも教えて欲しい。 結局理念のない者に、説明能力を求めるのは無理な話なのだ。 恐らく彼は15年前のアメリカの構造改革をモデルにしたかったのではないだろうか。 ところが国民は彼のようにアメリカ信奉者ではなかったのが誤算でした。 (信奉者なら内容は必要としません) 日本人が望んでいるのは経済格差の広がる社会より、公平性の広がる社会なのでしょう。 (これには理念や説明能力を必要とします) 勿論、今年も来年も景気が回復する事は100%ありません。 この「構造改革」の問題点は、内容がボヤけていて前が見え難いと言う事です。
補足
かなり詳しくかいていただいて本当にありがとうございます。