法律的な賠償責任が発生しなくても払わなくてはいけないのでしょうか

質問

冠水のため車が動かなくなり、親切にも牽引してくれた相手車（会社の車）のバンパーにロープが引っかかり破損してしまいました。（道路を走行中現場を通過しようとしたところ、その場所だけあっというまに増水）車との直接接触はないです。
当初保険会社に相談、牽引されていた当方のハンドルの切りすぎが原因ということで100：0対応で打ち合わせし、改めて相手会社へ謝罪と保険で支払う事で進んでいましたが、被害車両を立ち会った結果破損の原因は相手のフックの賭け間違いであることが判明、0：100の事案であることの説明が保険会社事故担当からありました。当初の安易な判断による責任ということで事故担当者は相手へ説明し場合によっては伺って
という話しをしたところ、保険会社と会うつもりはない、直接当方に請求する意向とのこと。当方車両を救助することから発生したということで全額請求するということだと思いますが相手の落ち度もすべて当方の責任になるのでしょうか？払わなくてはいけないのでしょうか？

回答No.2

moonliver_2005

＞相手の落ち度もすべて当方の責任になるのでしょうか？払わなくてはいけないのでしょうか？

本件、色々な見方が可能で複雑です。

損害賠償請求事件と見れば、相手方の生じた損害について、質問者さんに過失がないことが立証されているのですから、質問者さんに損害賠償責任が無いことは明らかです。相手が「それはおかしい。納得できない」と考え「質問者さんの過失である」とか「自分にも過失があるが、質問者さんの過失は無視できない」と主張することは相手の自由です。しかし、質問者さんはこういう主張が無視できて、あとは相手が弁護士さんを立てて来て話会いで解決するか、裁判で争うかの話です。

事務管理事件と見ることもできます。法律用語で「事務」とは、法律行為（典型例が契約行為、登記、訴訟提起でしょう）以外のすべての行為を「事務」と言って、帳簿や文書を作ったりする意味ではないです。

たとえば、旅行中で不在の隣家が出火したので、初動消火活動をするとともに、消防署の連絡して消火に協力したというな行為が「事務管理」になります。民法は次のように定めています

（事務管理）第697条　義務なく他人のために事務の管理を始めた者（以下この章において「管理者」という。）は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理（以下「事務管理」という。）をしなければならない。
２　管理者は、本人の意思を知っているとき、又はこれを推知することができるときは、その意思に従って事務管理をしなければならない。

本件の相手は「冠水のため車が動かなくなり、親切にも牽引してくれた」という状況では「義務なく他人のために事務の管理を始めた者」ということができます。この697条の事務管理者の義務もクリアしているといえるでしょう。

事務管理者の負担した費用について、民法は次のように定めています。

（管理者による費用の償還請求等）第702条　管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。

すると本件の「相手車（会社の車）のバンパーにロープが引っかかり破損してしまった結果発生した、これを修理する費用」は702条でいう「本人のために有益な費用」に当たるといえるかが問題になります。

そうすると、この相手の事務管理によって質問者さんの受けた経済的利益とこの修理費用の比較をすることが双方の意見対立を解く鍵になるでしょう。

判りやすい例として、たとえば質問者さんの車が水没して、結果廃車を免れなかったと仮定して、質問者さんの経済的利益は100万円とか200万円となるとします。そしてこの修理費用が10万円とか20万円とします。（これは、あくまで例です）そうすると、この修理費用は払ってあげるべき。相手の過失であっても、この事務管理がなければ、質問者さんの利益も失われるのだから・・・と裁判官でなくしても、誰でも思うでしょう、というわけです。

質問者さんの経済的利益と相手の損害に大差がなければ、質問者さんでなくとも、簡単にはこの損害費用負担には応じられないでしょう。

法律的にいうと本件こう見ることができる・・・という回答ですが、あとは成り行き次第でしょう。

＞保険会社と会うつもりはない、直接当方に請求する意向とのこと。

相手が何といおうと、すべて保険会社に任せることが正解でしょう。相手が質問者さんに直接言ってきたらその場での即答は絶対せず「保険会社と相談の上、ご返事します」という態度を徹底的に貫くのがよいです。

お礼

専門的な知識がおありなんですね。
親身なアドバイスをありがとうございます。
まず、保険会社と話し合ってみます。

回答No.1

noname#45946

フックの賭け間違い以前に、見ず知らずの他人に親切心を抱いてしまったのが先方の間違いの元。
この場合、他人が困っていようが自分には関係ない事と、見て見ない振りして立ち去ることもできたのです。
自業自得と諦めてもらいましょう。似合わない事をするからいけないのです。
それなのに、自分のミスを棚に上げ、全額請求なんて厚かましと思いますよ。
とても請求なんて普通では出来ないです、
「修理代負担します」と相手が申し出る事を期待しつつも、その言葉が無い以上、諦めるしかないですね。
保険会社の調査では0：100、法律的な賠償責任が発生しないんですから構う事無いです。
ほっときましょう。

お礼

これから、どう進展するかわかりませんが、今の不安な気持ちを解っていただけただけでも安心しました。
相手会社は大きな会社（ハウスメーカー）なのです。
私のほうは責任者のかたとお話をしたかったのに、当初挨拶へおかがったときも責任者は不在で、応対したのは当事者の運転者の方とだけなのです。
よっぽど本店へ今回の状況経緯を説明し、「これが会社の方針なのですか？」と言いたい気持ちです。