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感染症の潜伏期

 病原体で潜伏期が様々ですが、どうしてですか?  例えば、HIV、プリオン、狂犬病、破傷風菌などなど。できるだけ詳しく教えてください。  できれば、この内容に関連したサイトも教えてもらえるとうれしいです。

みんなの回答

  • -mizuki-
  • ベストアンサー率38% (212/555)
回答No.3

潜伏期とは、病原体が宿主に侵入してから,それによる最初の徴候や症状を発現するまでの期間のことです。 潜伏期間が違うのは発病機構の違いによるものが大きいでしょう。 HIV、プリオン、狂犬病、破傷風菌についてですが、はっきりと分かっていないことも多いので、潜伏期間についてはなかなかこれといった決め手がないのが現状です。 狂犬病は噛まれた場所で、ウイルスが局部的にゆっくりと増殖します。そして感覚神経にも感染が起きると、ウイルスは軸索を通って上行し脳や脊髄に達すると言われています。脊髄や脳に達すると神経細胞内で急速に増殖し、神経細胞の死や脱随を伴う脳炎を起こします。また、下行性に神経をたどって、唾液腺、腸、筋肉などの臓器の神経細胞に達し、発症すると言われています。食欲不振、頭痛、不眠などの精神症状、咬傷部の疼痛、知覚異常が初発症状となります。 潜伏期はウイルスの増殖速度の遅さ、上行し、中枢に達するまでの期間によるものでしょう。 狂犬病は日本では1957年以来、一例の輸入例以外は発症報告はありません。 破傷風では破傷風菌の産生する毒素(tetanus toxin)が血行性に骨格筋に広がり、神経筋接合部から取り込まれ、運動神経内を逆行性に輸送され、脳や脊髄にある運動神経細胞に達し、発症します。破傷風では患者から破傷風菌が分離される例は少なく、臨床症状等によって診断されることが多くなります。従って、菌の増殖速度はあまり潜伏期には関係ないようです。むしろ、毒素の量やその広がり方、神経軸索内の逆行速度等が関係しているようですね。 HIVでは、以下のような臨床病期を経過します。 急性期:感染の2~4週間後に、発熱、倦怠感、のどの痛みなどが起こります。大部分が腺熱様疾患を発症し血液中には高力価のウイルスがみられ、CD4T細胞が減少します。強い細胞性および液性免疫応答がおこり抗体が産生され、1ヶ月ないしそれ以上でウイルス血症は低下しCD4T細胞は正常レベルに回復します。 (中期)潜伏期:無症状が数年間続きます。平均約10年。HIVは増殖しますが、感染細胞は破壊されます。また、減少分を補うため、CD4T細胞の急速な増殖が起きます。増殖した細胞に新たな感染が起き、ウイルス産生は持続します。CD4T細胞は感染細胞の破壊は起きますが、他の細胞の増殖によってカバーされるため、徐々にしか減少しません。 終期:AIDSを発症します。CD4T細胞が減少し、免疫系が崩壊します。結果、日和見感染を起こし、患者は死亡します。 結果として、HIV感染症の潜伏期は2~4週間、AIDSの潜伏期はCD4T細胞が十分に減少するまでの期間(平均約10年)ということになります。 CJDで報告されている異常プリオンは異常プリオンが正常プリオンの構造を変え、異常プリオンにしてしまうという連鎖反応で増えます。 しかし、そもそも、正常プリオンが何をしているのか、異常プリオンが本当にCJDの原因なのかということも分かっていないのが現状です。 医学では、完全な根治療法が確立されてしまうと、それ以上研究の対象にはなりにくいため、破傷風、狂犬病は今やほとんど研究対象とはされておらず、解明されていないことが多い、という実状があります。HIVやCJDに関しては今後研究が進むでしょうが、もし、根治療法が出来てしまうと、それ以上解明される可能性としては低いでしょう。

  • SCNK
  • ベストアンサー率18% (514/2762)
回答No.2

回答にはならないと思いますが、私も類似の質問をしており、同様な疑問を持っています。 まったく自信はないのですが、予想する所として、病原性を発揮するためには、ある程度の菌数が必要なことが知られていることから、菌の増殖が必要ということではないでしょうか。ある程度はこれは正しいと思います。しかし、赤痢やO157などは数百の菌で発病しますので、増殖の時間はそれほど必要がないことになってしまいます。そこでほかの要因として考えられるのは、毒素の強さや毒素の生産速度が関与しているように思います。ウイルスに関しては細胞に寄生して、子ウイルスが産出するまで段階を経なければならないため、これも影響しているのでしょう。また毒素の解毒速度との関連もあるかもしれません。ここに述べたのはすべて予想に過ぎません。

  • jean8941
  • ベストアンサー率57% (97/169)
回答No.1

単純に考えると、潜伏期って、 (1)病原体が体内に進入し、ある程度の数まで増殖  するまでの期間 (2)その病原体を「異物だー!」「有害だー!」と  認識するまでの期間 (3)その異物を攻撃する為に抗体を産生するまでの  準備期間 の、トータルではないかと思います。 要するに、実際に病原体と抗体が戦争を始めるまで。 しかし、C型肝炎ウイルスなどの華々しい活動を行わない 病原体もあり、そんなウイルス相手に今すぐ戦争を始める 必要があるかと言えば、そんなことも無いでしょう? なので、病原体によって潜伏期が違うのは無理からぬ事 ではないかと思います。(この部分、根拠ナシ。) プリオンはただの異常タンパクで、正常タンパクに 体当たりして相手を異常化させる、という気の長い 活動をしますので、潜伏期は当然長いですしね。 ちなみに狂犬病は、ずーっと以前から、日本では 発病報告が無いんですよ。

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