以前航空業界にいた者として、可能性について書き込んでおきます。
新型車両は製造時期によりかなりの部品が規格化され、大量生産されています。最近の関東付近のE231系とその規格に準じた私鉄の新型車両などは、その良い例でしょう。
新造が続いているときは、その新造分と保守用に、大量の部品が達注され、製造されます。機械化された職場で型が作られて、ほぼ全自動で製造されます。
しかし、製造が終了したあとは、保守部品の発注があるだけで、大量生産ではなくなります。まだ使用量数が多い間は型が残っていますが、廃車が進み、比較的状態の良い中古部品が廃車体から流用できるようになると発注がなくなり、型は廃棄され、元の金属等に戻されて他の型に変わってしまいます。
しかし、廃車体からの流用も少なくなってくると再度メーカーに発注せざるを得なくなりますが、メーカーでは型が既にないので、図面を元に手作りになりコストが嵩むのです。旧型といっても比較的製造年度が若い車両であれば保守部品も揃っているので、コストを低く抑えられます。
晩年のYS-11がそうでした。製造が終わり、製造のために作られた合資会社「日本航空機製造株式会社」は解散し、保守部品は各社が持っている図面を元に、発注があったときのみ製造していました。
私がいた会社も保守部品の製造はしており、私も当時作りましたが、型はなく、図面を元に手で作りました。当然関わる人の数も多くなり、コストがかかるわけです。
電車の地方への配置換えも、こうした理由ではないでしょうか。