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古文の訳
「あげて数ふべからざるか。」 ひとつひとつ取り上げて、数えるのはよくないだろうか? 上のように自分で訳したんですが、この「べし」は助動詞のどの用法でやくせばいいんですか?それから「か」は反語で訳したんですが…
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これは全体として定型句の一種ですが、 それはさておき、文法的な解釈の仕方から説明します。 「べし」と「ず」の語順はふたとおりあり、 それぞれ分担している意味の範囲があります。 A 「ざるべし」 1 打消+推量=「~(し)ないだろう」 2 打消+意志=「~(し)ないつもりだ」 3 打消+適当=「~(し)ないのがよい」 B 「べからず」 4 当然+打消=「~(する)はずがない」 5 命令+打消=「~(し)てはいけない」 6 可能+打消=「~(する)ことはできない(だろう)/できそうもない」 この場合は後者ですね。 「あげて数ふべからず」という定型句内で用いられている場合は、 6の意味、すなわち、「すべて数え上げることはできそうもない」ということです。 さて、「か」の用法は「疑問」なのですが、 この場合は回答を要求する種類の疑問ではありません。 「すべて数え上げることはできそうもないか」 といっても、数え上げることができるかどうかを問題にしているのではなく、 「数えあげられそうもないほどおびただしい」ことに驚いている、 「詠嘆」に近い用法なのです。 (辞書には、文末用法に「詠嘆」の項目を加えているものがあります)
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- inahiko
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【「べし」について】 助動詞「べし」を辞書などで調べると、文法的意味として「推量」「意志」「可能」「当然」「命令」「適当」(「予定」)が挙げられています。 これらは、それぞれ全く異なるものではなく、ゆるやかにつながっています。 例えば、「なんぢ学ぶべし。」は、 (1)おまえは学ぶだろう。…推量 (2)おまえは学ぶべきだ。…当然 (3)おまえは学べ(学ばなければならない)。…命令 (4)おまえは学んだ方がよい。…適当 などの訳が可能です。上記のどれもが正解です。 ただ、よく見てみると、上記4つの訳が具体的に意味するところは、大して変わりがありません。 これが「べし」の実態です。 しかしながら、「なんぢ学ぶべし。」が文章の中にある時は、文脈によって(1)~(4)のうち、より適切なものと当てはまりにくいものとに分かれることがあります。その時は、より適切なものが正解となります。 ですから、文脈の中に置かれていない「べし」の訳を特定することはできません。 【反語について】 疑問文と反語を見た目だけで判断することはできません。 全ての疑問文は、反語になりうる可能性を持っています。 文の流れの中で、その疑問文の答えにあたる内容が、当然「いや~ない。」となるハズだと判断できる場合、その文は反語になります。 【結論】 ご質問の文章の場合、 1.「あげて」は、「すべて・残らず」の意味の副詞ととらえた方が良いかと思われます。 2.「べし」は否定の要素(この場合は「ざる」)を伴った場合、多くは「可能」の訳となる(←絶対ではない)。 3.疑問か反語かは文脈次第。 の3点がポイントで、 「残らず数え(あげる)ことができないだろうか。」 と訳すのがよいと思われます。
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遅くなってすみません。 ありがとうございました!
- Samantabha
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専門家ではないので、あまり自信はなく、文法的説明もできないのですが……。 「あげて数ふべからず」であれば、 「(自明のことなので、)とりたてて数えること(必要)もない」 というような意味だと思います(前後の文章で異なることもあると思いますが)。 それに「か」が付くと、 「とりたてて数えること(必要)もないだろう」 くらいの意味ではないかと思います。
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おそくなってすみません。 丁寧な解説ありがとうございました!