補足です。
このご質問のおかげで、3年程前に買って放置されていたさや取りの入門書を思い出しました。どうやら、No.2の方が書かれている本の一つのようです。ここにさや取りの定義が出ています。
・同種商品間の異常な価格差
あるいは
・収斂性のある異種商品の異常な価格差が
・長期でない期間内に
・正常な価格差に戻る必然性を利用し
・リスクがゼロまたはゼロに近く
・ポジションは必ずスクエア(売り買いが同量)
である売買のこと。だそうです。
ですから、個別株でも東京市場と大阪市場の価格差、現物株とワラントの価格差等でこうしたさや取りは可能になりますし、商品先物の世界では結構幅広く行われています。
ただ、この本は初版が1992年で、まだまだアナログな時代、情報格差は結構存在していました。しかし、現在ではPC、ネットの活用によって誰でもこうした情報を瞬時に捉えることが出来、しかもプログラム化して自動的に売買するなど対応も出来るようになっています。ですから、こうした「異常な」価格差自体が出難くなっているし、出たとしてもかなり小さな段階でこれらの反対売買が出てしまってまた格差が縮まってしまう、といった状況になっているのが現状です。なかなか充分な利を得るのは大変だと思います。
さらに前回説明した日経平均などでは売買されるボリュームも巨大なので問題はありませんけれど、個別株や東京・大阪の市場間などになってくるとその取引量が少ない場合、売り買いのどちらかがすぐに成立しなかったり価格が変動してしまう、というリスク(執行リスク)が生じてきます。
いずれにせよ、さや取りには資金と、常に監視しつづけるという時間的余裕および気力がないとできません。
手軽に出来る、というものでないことは確かなようです。