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妖精物語について・・・。

妖精物語は現代の英米にどんな影響を与えているか。もし知っているひとがいれば教えて下さい。また、参考になるホームページがあれば教えてください。

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  • aster
  • ベストアンサー率70% (374/533)
回答No.1

  「妖精物語」で、どういうものを考えておられるのかで、違った答えになります。トールキンの Lord of the Rings や、あるいは「ハリー・ポッター」などを考えておられるのでしょうか。 「妖精」は、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」に出てきます。また、イェイツの「ケルト妖精談」のような形の伝承の集成もあります。妖精の存在は、古くから西欧で信じられており、シャーロック・ホームズの作者アーサー・コナン・ドイルも、有名な「妖精写真事件」に巻き込まれます。 つまり、妖精の写真が、前世紀にはあったのです。現在のUFOの写真のようなものです。多くは偽造だと考えられます。(本物があると云っているのではありません)。 妖精物語が現代に与えている影響といえば、むしろ、現代社会が、妖精のような非合理的なものを、現代にあって、求めたという必然性があったのだとも云えます。 物質主義の進歩主義思想的な未来ヴィイジョンは、ドイルの頃からすでに懐疑があったのですが、二十世紀半ばから後半にかけて、社会の閉塞状態や、科学が薔薇色の未来を与えるという幻想が、幻想だと実感されてきて、多くの人々が、「理想世界」を、未来にではなく、過去、または過去に信じられていた「どこでもない世界=妖精の世界」へと志向を変え始めたのです。 理想目標や、未来の希望の具体的イメージが築けなくなった時、過去の「どこでもない世界」の牧歌的・ロマン主義的イメージが、このイメージの喪失を生めたとも云えます。 ドイツロマン主義などは、中世世界を志向していましたが、妖精物語への志向も、現代や近代の合理的進歩主義的世界・時代観念ではなく、ロマンスのある非合理的な中世的世界への「回帰的・懐古的」志向を再醸成したとも云えます。 「Lord of the Rings」などの作品は実は古いのであり、二十世紀の半ば頃に作られています。C・S・ルイスの「ナルニア国物語」も同じ時代です。 かつて、1960年代、学生運動の躍動と共に、ドラッグ文化やヒッピー文化が興隆したとき、トールキンやルイスや、その他のファンタシーもまた、「非現代・非物質的科学的合理的現代」という志向において、「理想」のモデル的イメージとして、一時流行しました。 その潮流は、ずっと続いている訳ですが、21世紀に入って、再度、ファンタシーや妖精物語の現代社会との関係が、多くの人々の意識に意味を持ってきたとも云えます。 反合理主義、反進歩主義の「回帰的・懐古的」また「夢想的・ユートピア的」ヴィジョンを、具体的イメージとして、現代人に提示し、理想モデルのイメージ化を促進したのだとも云えます。それは、現実逃避につながるかも知れませんが、現代の変革のためのパワーとしてのイメージの源としても機能しているかも知れません。 以下のページはリンク集ですが、こう云った問題は、「ファンタシーと現代社会」というテーマで欧米では問題になっています。いまに始まるのではなく、1970年頃から、こういう問題設定はありました。 >fairytales >http://www.asahi-net.or.jp/~aw2t-itu/fantasy/fairytalesbibl.htm >あとがき大全  7 >http://www.reviewers.jp/ronnjya/honyaku/kanehara/07.htm >ファンタシーの変容とアイロニー 1 >http://www.wayo.ac.jp/UNIV/eibun/kuroda/anti/1_henyo.html  

参考URL:
http://www.asahi-net.or.jp/~aw2t-itu/fantasy/fairytalesbibl.htm,http://www.reviewers.jp/ronnjya/honyaku/kanehara/07.htm
m-girl
質問者

補足

学校で「妖精物語は現代の英米にどのように影響されているか」とレポートをだされました。よろしくおねがいします。

その他の回答 (1)

  • eidos
  • ベストアンサー率20% (5/24)
回答No.2

 学校の課題で聞かれているのなら、あまり教えて差し上げる訳には いきませんが、ヒントになるような事をいくつか書いておきます。 1.西欧の思想史の中でルネサンス期はとても重要な地位を占めています。 その時期に、『妖精物語』を著したイェイツ一家について、調べてみられる のをお勧めします。 2.彼が述べるのは、主に霊魂と妖精の係りについてなのですが、アリス トテレスはかつて物質界を観察する為に次の三つについて注意するように と言いました。簡単に書くと、一つが実相そのもの。二つめが、万物の元素。 そして、三つ目が実相と元素の中間にあって、実相ではないものの、より 実相的な元素についてです。何の事?と思われるかもしれませんが、 クラーシスと呼ばれる肉体と霊魂という両者の間でやり取りをする存在物 を思いついた。と思ってください。  この概念は、例えば二元論を進めたガレノス主義者に対し、エピクロス派 の哲学者が「快・苦」と呼んだものなのですが、二元論者のデカルトと、 三者論のベーコンという形でも思想的に対比できます。  そして、イェイツはこの三者論に基づき、当時「世界霊魂」という言葉に 基づき、ケルトの妖精たちを定義するのです。ですから、妖精は、「快・苦」 という言葉に顕著なように、良い者には良く、そして悪い者には悪い働き を与える気まぐれな存在なのです。  この二者、三者の思想的違いを述べないと、きっと合格点はもらえない でしょう。がんばってください。

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