- ベストアンサー
分液ロートの収率に関して
- 大学の研究で、R-C(=O)-R'[R:親水基](=以降(1))をエチレングリコールで保護したのですが、分液ロートで塩化メチレンを使って抽出したのですが、粗収率が30%前後しかえられません。
- 収率を上げる方法があれば教えてもらえないでしょうか?前任者の方のレポートにはKOH水溶液と書かれているのですが、実験ノートにはKOH(固体)を入れて中和後に水と塩化メチレンを入れているのですが、この違いで収率って変わるのでしょうか?
- (1)は、分液ロート後にカラム精製で収率40%前後です。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
詳しい状況が判りませんのでアドバイスです。 抽出操作する前の、反応を止めた段階での目的物はどの程度生成していたのでしょうか?反応が中途で目的物の生成量が少ないためなのか、抽出操作が不適だったのか判断がつきません。 ちなみに抽出操作が不適な場合とは 1)中和が不十分だった 2)有機層(抽剤この場合は塩化メチレン)への分配率が悪いため抽出が不十分だった。分配率が悪い場合は抽出操作を繰り返さなければいけません。 KOHの水溶液か固体かの違いは収率に無関係です。
その他の回答 (2)
ある意味、失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、あえて、書かせてもらいます。R-C(=O)-R'[R:親水基、R'の鎖は短い]というのであれば、その物質の極性はかなり大きいです。水に溶けても不思議ではありません。アセタールになっていない原料が残っているのであればなおさらです。ジクロロメタンが抽出の際の最適溶媒であるとはとても思えません。 また、「収率を上げる方法があれば教えてもらえないでしょうか?」と質問しておられますし、しかも、前任者の実験が再現できていないという状況ですよね。それにも関わらず、補足では「前任者のやり方で問題はない」と書かれています。前任者の結果を盲信するのであれば、質問する必要はありませんよね。抽出の操作自体は特別なノウハウを必要としませんからね。 ちなみに、No.1への補足では、「本日、残していた水相をクロロホルム200ml×2回で抽出して「+6%」で37%に上がりました。」と書かれていますよね。普通に考えれば、これは抽出溶媒が不適切であることを意味すると思います。反応物が消えてなくなることはありませんので、水溶性の高い副生成物が大量に生成したというのでなければ、残りの63%は水に溶けていると考えるのが常識でしょうし、それを取り出すために、抽出溶媒の極性を高めることも有機化学実験の操作としては常識的なところです。 また、ケトンのアセタール化に関しては、脱水剤の種類がわからないので断定はできませんが、私の経験上、それほど簡単に進む反応とは思えません。まあ、GCで原料の消失を確認しているということであれば、それ以上反論することもできませんが、アセタールが確認できていないというのは不可解ですね。 それと、分液ロートというのは器具の名称であり、操作の名称ではありません。「分液ロート後に」とか「分液ロートの収率」などという表現をしていると能力を低く見られます。
補足
>w-palace 回答ありがとうございます。 担当教員と相談した結果、 後日、担当教員の前で実験を行い間違った操作がないか確認していただくことになりました。 ただ、担当教員は忙しく僕個人に付きっ切りで指導できませんので、 当面はこの反応を中止して別の合成を行うことになりました。 NMRの結果ですが、目的物ができていることが確認できました。 >能力を低く見られます。 以降、気をつけます。 ありがとうございました。
親水基があるのなら、水層に食塩を入れる等の方法で、抽出されやすくすることは可能です。 また、抽出溶媒として塩化メチレンが適しているかどうかということにも疑問符がつきます。極性の大きい物質であれば酢酸エチルの方がよいと思います。当然、抽出の回数が多いほど水層への残存量は少なくなるでしょうね。 >前任者の方のレポートにはKOH水溶液と書かれているのですが、・・ 普通は水溶液にして加えるでしょう。固体を加えるのは手抜きのように思います。まあ、それで収率が変わるとは考えにくいです(水を加えればの話ですが)。 ところで、その条件で反応が完結しているんでしょうかね。少し疑問です。また、エチレングリコールとの反応の際に、別の溶媒を使っているのでしょうか。その辺りのことは収率に影響を及ぼすでしょうし、抽出の際にも考慮すべきことだと思います。
補足
>w-palaceさん 回答ありがとうございます。 >抽出溶媒 前任者の方が塩化メチレンで抽出を行い粗収率80%前後であることから特に問題ないと思います。 >反応が完結 chemwalkmanさんへの返答でも書きましたが、 GC分析で(1)のピークが消えていることから反応は進んだと判断しました。 後日NMRで反応の有無を確認する予定です。 >溶媒 この反応では溶媒は使っていません。 合成は上記の物質のみです。 それでは。
補足
>chemwalkmanさん 回答ありがとうございます。 >目的物はどの程度生成していたのでしょうか? 上記(1)は、GCで見られますので分析した結果、 合成後(中和前)は(1)のピークが消えていました。 保護基の付いた化合物はGCでみることが出来ませんので、 どの程度合成できたかは不明です。 生成の有無は後日NMRを行う予定ですのでそこで判断するつもりです。 >抽出 抽出は、水100mlに対して塩化メチレン200ml×2回で抽出して31%でした。 本日、残していた水相をクロロホルム200ml×2回で抽出して「+6%」で37%に上がりました。 分液ロートは2~3分振った後、2層に分かれるまで(5~10分)静置しています。 それでは。