- ベストアンサー
糖について
微生物が利用できる糖の種類は、その微生物がもつどのような要因によって決まるのでしょうか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
酵素を持っているか否かで決まると思います。 自分で無機物質から有機物質を合成できない従属栄養生物は、他の生物を摂食または他の生物の作った栄養分を摂取して利用することで生命を維持します。 無機物質から有機物質を合成する代謝活動は光合成です。光合成では二酸化炭素と水からグルコース(ブドウ糖)が生成されます。これは六員環の単糖であり、呼吸基質となります。 しかし、自然界の糖質はすべて単糖として存在しているわけではなく、二つ以上つながった多糖類として存在することが多いです。デンプン(アミロース)もその一種で、これはグルコースが多数結合した高分子です。結合の形態や結合する単糖の種類により、さまざまな多糖類が存在します。 多糖類はそのままでは呼吸の反応経路に入ることはできません。つまり、エネルギーとして利用できないということです。利用するためには単糖同士の結合を切断し、単糖に戻さなければなりません。この結合を切断するのが酵素です。しかし、酵素には基質特異性があり、特定の基質に対する触媒作用しか持ちません。ここでは、特定の組み合わせの結合しか切断できないと考えていただければいいと思います。 どの酵素を合成でき、どの酵素が合成できないかは、生物それぞれが持つ遺伝情報によって決まります。たとえばセルロースはスクロース(ショ糖)という単糖がつながってできている多糖類であり、植物の細胞壁を構成する主成分ですが、人間はセルロース内にあるスクロース同士の結合を切るセルラーゼという酵素を合成するための遺伝情報を持っていないため、セルロースを切断しスクロースにすることができません。したがって、人間はセルロースという糖質は利用できないことになります。しかし人間はスクロースそのものは利用することができます。 以上のようなことが微生物でも言えると思います。高校生物(2)(+高校化学(2))の範囲までの知識ですので、微生物の糖利用については少々あやふやな部分も含むことをご了承くださいませ。何か不明な点がありましたらご質問ください。答えられる範囲内でよろしければ回答させていただきます。