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なぜリン脂質か

なぜリン脂質がベシクル形成に適しているのでしょうか?他にもいろんな化学物質があると思うんですが。

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回答No.1

そうですね確かに親水基と疎水基を構造の両端に持った物質というのは多く存在します。たとえば石鹸なんかもそうですね。 生物にとって細胞膜というのは必ず必要ですからまず条件として豊富に存在するものであることが必要条件です。またどうしてリン脂質なのかということになりますと、リンはATPなどのように生体内において重要な代謝反応に必要な物質ですし比較的多量に生体内に存在しますしかもリン酸などはかなり安定です。もし親水基の部分に金属イオンなどがある物質で二重膜を作ってしまうと、細胞のアポトーシス(細胞の自殺)などのとき金属イオンが周りに広がって付近の細胞がダメージを受ける可能性が高くなります。もちろん自分自身も遊離してきた金属イオンで被害を受ける可能性が高くなります。余談ですが金属イオンは細胞にとって有毒なスーパオキシド(活性酸素)を発生させる原因になります。 ここからは専門的になりますが、細胞のリン脂質二重膜の上には細胞外からの物質の取り込みや分泌などをするためにたんぱく質でできた多くのチャネル(特定の物質を通す門のようなものです)があります。たんぱく質は多くのものが金属イオンによって変性しますので、リン脂質以外のもので二重膜を作るとチャネルを膜に取り付けることができなくなります。金属イオン以外のものであったとしても安定でたんぱく質との親和性や接着性がないともちろんチャネルはとりうけることができません。生命というのは外から物質を取り入れてエネルギーを生み出さないといけないので外から物質を取り込むためのチャネルを作れなければ生命として存在できないことになります。以上のような条件にあった物質というのは探せばあるかもしれませんがそう多くはないとお思います。このような理由でリン脂質以外の物質では細胞膜は作れないわけです。