「真空の吸う力」というのは、実は、存在しないのです。
掃除機を例に取りましょう。
掃除機のスイッチがOFFの場合は、掃除機内の空気の圧力も、周囲の気圧も、同じ1000ヘクトパスカルです。
掃除機のスイッチを入れると、ファンによって掃除機内から空気が書き出され、掃除機内の気圧が下がります。
当然、掃除機のホースの口の部分の気圧も下がります。
すると、
周囲の空気の気圧とのバランスが崩れ、ホースの口の周囲の空気がホースの内部の空気を押します。
よって、空気がホース内部に流れます。
その際、流入する空気が、付近のほこりを巻き込みます。
この結果、「ほこりが掃除機に吸われた」ように見えます。
実際は、周囲の空気の「押す力」なのです。
本題に入りますが、
宇宙の真空は、地球の大気を「吸う」ということはありません。
しかし、宇宙の真空と地球の大気との圧力のバランスは崩れています。
どうして、大気が地球の表面に留まっているかと言えば、
すでに回答が出ている通り、重力(地球の引力)があるからです。
その結果、「空気の重み」すなわち「気圧」が生じています。
1気圧はだいたい1000ヘクトパスカル。
それがどれぐらいの力かと言いますと、
1000ヘクトパスカル
= 10万パスカル
= 1平方メートル当たり10万ニュートン
≒ 1平方メートル当たり1万kg重(=10トン)
≒ 畳1畳当たり1万5千kg重(=15トン)
これが、地球が空気を引っ張っている力(重力)です。
これだけ大きな力がかかっているにもかかわらず人体がつぶれないのは、人体内部の圧力も高く、それでバランスが保たれているからです。
空気と人体内部とが、同じ力で押し合っています。
以上、とりとめもなく書きましたが、ご参考まで。