FIFAの言うことは、本当に正しいのでしょうか?
少し前になりますが、新聞で気になる記事を見つけました。それは、FIFAが「自治体が「○○市は、2002年FIFAワールドカップ○○チームの公式キャンプ地です」と書いた横断幕を掲げたり、「W杯記念」と銘打ってイベントを行うなどして広くPRすることは、商標権に抵触するおそれがある」と申し入れたというものです( http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020330-00000491-yom-soci でも報じられておりますので、宜しければご参照下さい)。
これを読んで、疑問を感じました。私には、上記のフレーズが商標法第25条、第37条各号に抵触するとはとても思えません。
それに、日本の商標法は、自分の商品(役務)と他人の商品とを需要者に明確に区別させるようにすることを目的とするものであり、その言葉を使用すること自体を制限するものではありません。例えば、「W杯記念饅頭」等を勝手に売り出せば問題となりますが、小学生が作文に「僕の町に○○チームが来ることになりました。今からとても楽しみです。ワールドカップでも、○○チームを応援します。」と書くことは何ら問題ありません。この観点からすると、上記のフレーズは、この範疇を超えないと思うのです(私見ですが)。
横断幕に書くフレーズが、キャンプ地の自治体がワールドカップを主催するように誤認させるような表現であるとか、キャンプ地がFIFAと何らかの関係があるように思わせるような表現であれば、それはそれで問題なのですが、上記したようなフレーズがそれらに該当するとは思えません。
結局、私としては、「ワールドカップ」という言葉をスポンサー以外に自由に使わせたくはないが為のFIFAの勝手な言い分としか思えないのですが、「商標法をこのように解釈した場合には、この点がマズイのでは?」というご見解がございましたら、ご教示の程宜しくお願い致します。