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人工授精時の精液注入部位の違いによる受胎率は違いますか?
人工授精(牛)を始めて1年弱なのですが、 AI時の精液注入部位について質問ですが、 子宮体と子宮角では受胎率が異なるのでしょうか? そもそも、サカリの時期は子宮が充血して丸まっているので、 子宮角深部へ注入したくてもほとんど出来ないのですが。 私が下手なだけでしょうか?
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何度も出てきますJaga39です。 子宮体についてですが、触診して判別できる子宮角の分岐点よりずっと手前で、子宮は2本に分かれています。つまりみかけの子宮角よりずっと手前で本当の子宮角は始まっているというわけです。 「子宮体に注入しているつもりで実は子宮角に入れてしまっている」ことが頻繁に起きるのはそのためです。 実際の子宮体(左右に分かれていない部分)は、本当に2cmくらいの長さしかなく、触診で「ここからここまでが子宮体」とはっきり判別するのは確かに困難です。「ここから」は簡単ですが(頸管出口)、「ここまで」が難しい。 私が「子宮体に注入することは簡単」と書いたのはつまり、「頸管出口から2cm以内の場所に注入すれば、そこがすなわち子宮体」ということです。 頸管出口を触診で判別することは容易ですし、授精器の先端の位置を把握することも、触診で先端を確認しなくても十分容易です。特に頸管を通している間は授精器先端の位置を把握することは、特に熟練しなくても簡単ですよね。 つまり、頸管から授精器先端が出たら、出口から2cm以内の場所で注入すれば確実に子宮体で注入することができます。 「頸管深部」とは通常、頸管の最後の襞(4つ目)の手前あたりを指します。私の経験ではここで注入しても受胎率は変わりません。 下手に確実に子宮体に注入しようとして子宮角まで入れてしまうと、例えば左卵巣で排卵したのに右子宮角に入れてしまうというようなことが起きる可能性が高くなり、その場合は確かに受胎率は落ちそうです。 精子がわざわざ分岐まで逆戻りしてから改めて子宮角を遡上してくれるとはあまり思えないので。 また、目的とは違う子宮角に授精器を入れてしまった場合、少し戻して目的の角に入れ直す必要が生じてしまいますが、それはしばしば困難です。一度入れてしまうと「道」ができてしまうため、逆の子宮角にはかなり入れにくくなることがよくあります。 ETの場合、私は最初、きちんと黄体側に入れようとしていたのですが、反対側に入ってしまうと入れ直すのがしばしば大変で、それで子宮内膜を傷つけるくらいならそのまま注入してしまった方が良いのではないかと思って「入った側の子宮角に注入」するようになったら受胎率が飛躍的に上がった、という経験があります。 でもAIの場合は、子宮角に入れるなら排卵側でないとまずいような気がします。反対の角に入れてしまって入れ直すときに子宮内膜を傷つける可能性は高いので、一発で目的の子宮角に入れる腕がなければ子宮体もしくは頸管深部に注入した方が受胎率は高くなるはず、と思います。 左右の子宮角をダメージも与えずに数秒で行き来できる、というのはですから「よほどの腕」だと思います。AIの受胎率を上げるのにそんな腕は必要ない、とも思いますが。ETや採卵はまた別ですけど。 ETの受胎率が3割を超えているのなら、AIでは少なくとも4割は受胎する飼養管理をされているはずです。牛の状態としては決して悪くないはずですよね。 そこでAIの受胎率が低いのは、AIするタイミングが良くないのかあるいは授精器の操作(注入部位等)を気にしすぎて子宮や卵巣によけいなダメージを与えているのか、とりあえずどちらかあるいはその両方の可能性をまず考慮すべきかと思います。 授精器の操作については、AIの場合は適当なところで注入してしまえば、後は精子が勝手に卵子がある卵管まで泳いでいってくれるので、あまり気にせずに手早く作業を済ませた方が結果がついてくるような気はします。
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たびたですがJaga39です。 No.3のtaronbeさんの、 >参考HPの人は、...(中略) 高度な技術を持ち、それを前提として 話をしています。 そのとおりだと思います。 そしてこの参考HPのウィットモア氏にツッコミを入れるとすれば、この人の"高度な技術"を持ってすれば、左右角に入れても時間もほとんどかからず、支給にダメージも与えないのでしょうが、このHPで問題となっている「子宮体に入れているつもりで角に入っちゃってる」レベルの人は、左右角に入れれば時間もかかるでしょうし子宮にダメージも与えるでしょう、というところです。 そしてもうひとつのツッコミは、それほどまでに高次な技術を持っているウィットモア氏であれば、そもそも素直に子宮体に注入しようとはしないの?というところなのです。 実はこの参考HPには、「子宮角に入れた方が受胎率が高くなる」というデータは提示されていません。文章では書かれていますが、数字は示されておらず、しかも技術者の人数や技術レベルといった基本的な事項も記述されていないので、この一文ではなんとも言えません。 また、子宮角注入の方が受胎率が高くなる根拠も、よく読めば「浅い部位だと粘液によって精液が排出される」ということしか挙げられていません。私はこれには疑問を感じているのは先に書いたとおりです。 さらにもうひとつのツッコミをするならば、左右の子宮角に注入して子宮にダメージを与えず、かつ数秒でそれを行う技術を体得するのはかなり大変だと思いますが(私には無理)、2cmのターゲット(子宮体)に間違いなく注入する技術は比較的容易に体得できる、ということです(私はできます)。 ま、繁殖の分野って10人いれば10人とも言うことが違いますし、その10人がそれぞれ統計的に有意なデータを持っていたりする世界です。(結論は矛盾してるのに) ですから、あまり人の言うことを気にせず、「子供は神様からの授かりものだから」くらいの大らかな気持ちで取り組んだ方が、結果的に伸びる気がします。 特に受胎率が低いうちは、あまり牛を選びすぎない方が良いかも知れません。 最初は「手当たり次第」でも良いと思います。そのうち、自分では受胎すると自信を持って授精した牛が不受胎だったり、自分では「やるだけムダだけど」と思いながら授精した牛があっさり受胎したりすると思います。それで牛(発情)を見る目が少しずつ修正されていくのだと思います。 量さえあれば、あの雑菌だらけの膣の中にぶちまけたってきっちり受胎するわけですから、注入部位なんて問題ではない、と私は思います。 大切なのは、自分が思ったタイミングで牛が本当に排卵しているのか、また排卵して受精したとして、その受精卵が着床して妊娠を維持できる状態なのか、というのがAIの受胎率のほとんどを占める、と思っています。 要するに牛側の要因なので、こちらとしてはそれをきちんと見極める目を持つことが最重要なのではと。 まあそういうことなので、あまり人の言うことは信用しない方が良いと思います。もちろん、ここで私が言ったことも含めて、です。
お礼
たびたび回答いただいてありがとうございます。 >2cmのターゲット(子宮体)に間違いなく注入する技術は比較的容易に>体得できる、ということです(私はできます)。 ウィットモア氏のページでは子宮体はごくごく小さいので触診では解らない、なので知らず知らず角や頚管にAIしているとのことでしたが、 子宮体って頚管を抜けて授精器の先端が、急にはっきり触診できるようになる所ですよね?そして子宮体の終わりの部分って子宮角の分かれ目の部分までですよね? ウィットモア氏は子宮体の触診は難しいと書いていますが、非常に簡単に判別できると思うのですが。 私はほどんどここにAIしています。 >特に受胎率が低いうちは、あまり牛を選びすぎない方が良いかも知れません。 私は去年の夏からAI始めました。始めたころは「数打てば当たる」方式でやっていました。 涼しくなってからは、ある程度厳選しても付き易い時期だから大丈夫だろうと思って「選んで当てる」方式にしています。 結局1頭でも多くそして早べきなので、数で勝負したほうが良いようですね。 >その受精卵が着床して妊娠を維持できる状態なのか、というのが~ ETはそこそこ止まるならば「妊娠を維持できる状態」の牛が多いということですよね? なのにAIの受胎率が低いならば、授精が成立していないことになるのかな、う~ん。
- taronbe
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参考HPの人は、「子宮角へ注入しても障害や感染は増えない」「両方の 子宮角に50%ずつ精液を注入するのは子宮体に精液を注入するよりほんの 数秒しか長くかからない」といった高度な技術を持ち、それを前提として 話をしています。 AI暦一年弱の人にとって果たしてこれがどれだけ参考になるのか。 今は出来なくてもそれだけの技術を目指して意識して努力していくべきなのか。 子宮体注入で充分であり、そんな技術を目指すより先にやるべきことがあるのではないか。 それでも高度な技術に興味のある農家に対しては目先の事よりもその興味を 伸ばしていく方がいいのではないか。そんな事をして利益が減ったら元も子も ないのではないか・・・ 私もどのように説明するべきかというはっきりした判断基準を持っているわけではなく、 どのような考えを採るべきかの判断は難しく悩むところです。 農家自身が方向性をはっきりして情報を選んでいく事が重要かと思います。 ちなみに、受胎率が三割程度となりますと、私もやはり注入部位以外に何か考えるべき要因が ある可能性が高いような気がします。
お礼
回答ありがとうございます。参考になります。 >高度な技術に興味のある農家に対しては~ 私のAIレベルの目標は、ごく一般的なレベルを目指しています。 どんな牛でも高受胎率なんて考えていません。 そもそも、受胎率は日ごろの栄養管理や発情発見率のほうが重要だと思っています。 そのなかでもAI時の注入部位の違いによって受胎率は変化するのか疑問に思い質問させていただきました。 私が免許取得のときに習った話ですと、子宮角でも子宮体でもほとんど変わらないと聞いたのですが、往診に来てくれる獣医師の話では、 子宮角のほうが受胎率が高いと言いますし、本当のところどうなの? と思ったわけです。 >ちなみに、受胎率が三割程度となりますと、私もやはり注入部位以外>に何か考えるべき要因が >ある可能性が高いような気がします。 去年の夏からETをET専門の獣医師に頼むようになりました。 大体半年間、20頭くらい移植しましたが、受胎率は3頭に1頭受胎でした。(7月から12月の暑い時期なのに良く付いた気がします) ETって受胎率が低いと聞いているのですが、 私のAIより受胎率がいいので、そうすると牛は同じ環境で育った牛ですので、受胎率の違いは人工授精の腕の違いによるものなのかなぁ→子宮角へ入れれば受胎率上がるのでは?と思うわけです。
また出てきましたJaga39です。レアな分野の質問には、回答者も偏ってしまうのは致し方ないことですが・・・ 子宮角に注入しようとすれば、卵胞が存在する側の子宮角に注入することは必須でしょう。反対側の子宮角に注入すれば、精子は一度子宮角分岐まで逆戻りしてそれから子宮角を遡上し、卵管に到達しなければなりませんから・・・ すると、 1.膣から雑菌を子宮角に持ち込むリスク 2.目的の子宮角に授精器を入れようとする動作 例えば、右に卵胞があるのに左に入っちゃった、入れ直さなきゃ、というような場合です。 3.触診による判定とは違う側の卵胞が排卵した場合 上記3つのリスクを考慮しなければなりません。特に3は考慮しないと、発情期の触診とは違う卵胞が排卵することは割とよくあることです。 No.1の回答のリンク先を読むと、結局のところ 1.今までは子宮体に注入しているつもりで実は子宮角に注入していた 2.だったら最初から子宮角に注入すればいいじゃないか というロジックに見えます。特に最後のウィットモア先生のコメントが。 自然交配時はもともと射精された精子のほとんど全てが膣内で阻止されます。卵管に到達する精子など、ごくほんの少数で受精は成立するのです(本当に受精するのは1個だし)。 また、精子が粘液に排出されるといっても、発情期の頸管粘液は精子受容性ですから(精子が粘液内に侵入できる)、実際のところ、頸管深部に注入された場合と子宮角深部で注入された場合の卵管到達数がどれほど違うのか解明されていませんし、解明されたところでその数の差が何を意味するのかすら解明できていないのです。 従って、精子が膣に排出されることが受胎率に影響する、という理屈がそもそも不安定です。そもそも精子は自然交配でも射精後、数分で既に卵管に到達しています。 ですから受胎率向上のため、AI後30分ほど経ってからイソジンを子宮内に注入する、という方法がありますし、私は以前「理屈から言ったら5分でもお釣りが来るはずだ」とAI後5分でイソジンを注入していた時期がありました。(受胎率は上がりました) 元々人工授精は頸管深部で注入、というのが標準法です。 それが子宮体まで入れてしまうと「子宮体のようでいて実は子宮角まで入ってしまっている」→「卵胞側ではない子宮角に5割の確率で入っている」→「だったら最初から子宮角に入れればいいじゃん」という論法になっているのが変だ、と思うわけです。 だったら最初から頸管深部で良いと思うのですがね。 私は約80頭の和牛の繁殖管理をしていた時期のAIでの受胎率は8割くらいでした。まあ和牛なので受胎率は良くて当然ですが。 彼女達はホルスタインほど大人しくはなく、もたもたしていると足が飛んでくるので、作業は素早くしないと。なのでAI時は全て頸管内注入です。 特に採卵のため、過排卵処理をした牛は3日間注射を打たれているので、何も知らずに後ろを通りかかった別の職員が壁まで蹴り飛ばされていたくらいですから、子宮角注入なんてしたくてもとても不可能だったわけです。 ちなみにETでも子宮角"深部"までは入れていません。頸管出口からせいぜい10-15cmという浅い部位でいつも注入してました。 これで受胎率は5割ほどでした。 私はETも、ましてAIは注入部位以外にもっと大切な要素がある、と思っています。
お礼
いつも詳しい回答ありがとうございます。 >AI後30分ほど経ってからイソジンを子宮内に注入する~ これ面白いですね。どうしても受胎しない牛に試してみたいと思います。 >頸管出口からせいぜい10-15cmという浅い部位 これは内子宮口から角への距離でしょうか? もしそうなら、10-15cmは浅い部分なんですね。 私はこの部位へ精液を排出しようとがんばっているのですが、 どうも、子宮角の入り口(角の分岐部分)でいつも妙な引っ掛かりを感じて、先に進めないですね。 頚管内はヒダがあるから引っかかるのは解るのですが、 子宮内なのに何に引っかかっているのか・・・
- taronbe
- ベストアンサー率39% (27/69)
結論から言うと受胎率が異なるというはっきりした結果は出ていません。条件が複雑すぎるからです。 たとえば条件の一つは精液の保存状態です。単純な言い方をすると、保存状態の悪い精液であれば、子宮角に入れた方が子宮体に入れるよりも受胎率が上がるでしょうが、保存状態のいい精液だとおそらくどちらでも大して変わりません。 受胎率の差よりは、実際にどれくらいの受胎率を得られているかで考えたほうがいいかと思います。たとえば現在marimari01さんの受胎率が20-30%くらいであれば、条件を改善することによって受胎率を上げる事が可能でしょうが、これが60%くらいであれば、これ以上いくら条件を変えてみても受胎率を上げるのは非常に難しいでしょう。 もちろん研鑽は常に積んでいくべきです。参考HPのあたりを参照してみてください。
お礼
参考URLが大変参考になりました。ありがとうございました。 牛の情報って家畜事業団のページくらいしかないと思っていたので助かりました。 現在、私の受胎率は3割(サカリ3回に1回受胎)くらいでしょうか。 ストローの数から割り出すと、1サカリに2,3本使うこともありますので多分1割(ストロー10本使うと1回受胎)ぐらいです。 最近はましになりましたが、ちょっと前まではストロー融解したら速やかに入れないといけないと思って、焦りながらAIしていたので、子宮体の浅いところか頚管深部注入が多かったと思います。 非常に良いサカリを厳選してAIしているつもりですが、 付きが悪い印象ですね。 サカリが良いと粘液も多量に出るので、 浅い場所に注入するとほとんど膣に流れ出ちゃっていたのかな。 少しずつ奥に入れれるように練習してみます。 ありがとうございました。 ※この質問は、1週間以内に締め切らせていただきます。
お礼
アドバイスありがとうございます。 >子宮体についてですが、触診して判別できる子宮角の分岐点よりずっと手前で、子宮は2本に分かれています。つまりみかけの子宮角よりずっと手前で本当の子宮角は始まっているというわけです。 いつも、子宮体でも子宮体の一番奥にいれようとしているのですが、 じつは子宮角に入っていたのですね。 これなら、頚管抜けたらすぐ出しちゃったほうがよさそうですね。 >AIするタイミングが良くないのかあるいは AI後24時間以内に排卵しているようですが、真実は牛のみぞ知るですね。 >授精器の操作(注入部位等)を気にしすぎて子宮や卵巣によけいなダメージを与えているのか そうですね、あれこれ考えずに手早く終わらせたほうがよさそうですね。