では平たく考えてみましょうか。
いま、磁石の力によって釘が引っ張られて磁石にくっついたとします。
このときなにが起きているかというと、
1)初め釘は磁石に対してポテンシャルエネルギーを持っています。
(ポテンシャルエネルギーは「位置」エネルギーです。)
2)磁石にくっついたわけですから、それだけ位置エネルギーを失いました。
3)このエネルギーは釘の運動エネルギーになります。
4)磁石にぶつかった時に、熱エネルギーに変わりました。
さて、このときの釘にひもを付けて発電器にでもつないでおけば、電気を起こすことは可能です。
では、どんどん新しい釘を用意して同じようにくっつけていくとどんどん電気は起こせそうです。
でも、磁石にくっつけられる釘の数には限界がありますよね。つまり初めにくっつけた釘を付けたままでは力はどんどん弱くなっていくわけです。
だからこの方法では限界があります。
もう一度釘を取り除ばよいのですが、そのためにはどこか他からエネルギーを持ってきて釘を引き離さなければなりません。
この引き離すのに必要なエネルギーは初めに持っていたポテンシャルエネルギーに等しいので、差し引き0になります(途中で変換ロスがない場合。現実にはロスがあるので元の位置まで戻すには初めのポテンシャルエネルギー以上必要なります)。
(モータで引き離すことを考えると、位置エネルギー→運動エネルギー→電気エネルギー→運動エネルギー→位置エネルギーというながれになります)
ポテンシャルエネルギーという考え方は、磁石にエネルギーがあるのではなく、磁石と釘の位置関係によるエネルギーで、それ故ポテンシャル(位置)エネルギーと呼ばれます。
水力発電などは自然のエネルギーが一度川に流れた水を蒸発させてまた雨という形で提供してくれるので(要するに太陽エネルギーを使っているだけですが)、永久に動かすことが出来ます。
お礼
ありがとうございます。 例えば、鉄をクレーンで持ち上げる作業をしています。クレーンはガソリンで動いてます。クレーンを超強力磁石で置き換えました。この場合クレーンの持ち上げるためのエネルギー(ガソリン)は節約可能ですね。でも引き離す力がいるため、結局は相殺だ、というように聞こえますが、それでいいのでしょうか。