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X線解析にて、試料の回転とは・・・
シリコンを粉末状にした物をX線回折装置にて同定分析しました。その際、試料を回転させながらX線を照射するのですが、回転させる軸は決まっているのでしょうか?3軸それぞれによる回転によって試してみたのですが、どれも違う結果が得られました。一つはシリコンを示したのですが、後の二つはてんで見当違いの物を示しました。どうしてなのでしょうか?
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粉末試料を回転させながら回折パターンを記録する場合の、最も一般的な方法は・・・ (1)試料表面に対する法線が、X線源-試料位置-検出器の3点で作られる平面内を向かせる (2)試料表面に対する法線を、X線源-試料位置-検出器がなす角の中心に向かせる (3)この法線を中心として、試料を回転させる だと思います。 回転させても試料表面がある平面に保たれることから、このような回転を「面内回転」と呼びます。 また、回転可能な3軸とはφ・χ・ω軸だと思いますが、このうちのφ軸がこれに相当しますので、φ回転とも呼ばれます。 このような回転を加えることで、粉末1つぶ1つぶの大きさのばらつきによる各ピークの強度のブレを解消することができます。(粉末が充分に細かく、大きさが揃っていないと、ICDDカードに載っているような強度比でピークが得られないのです。) 見当違いのパターンが得られた回転では、試料であるシリコン粉末以外の部位、例えば試料ホルダー(シリコンを充填したもの)や、試料台(試料ホルダーを支えているもの)にX線が当たってしまっていないでしょうか? 3軸が動かせるということで、高度な回折装置をお持ちだと思います。(通常の粉末専用装置では、ω軸しか回転しませんので・・・。) 多くの軸が動くことで、かえってセッティングが難しいと思います。 まず回転中心とX線照射位置がずれないことをよく確認し、その後上の(1)(2)(3)を満たす位置に各軸を移動させて、測定を行ってください。 上手くいくとよいですね。
補足
質問に応えて頂き、ありがとうございます。まだ解らないことがあるので、できたら教えてください。ちなみにうちで使用している装置の検出器は、湾曲形のPSPCを採用しているようです。(150°あります) 質問なのですが、なぜφ回転だと粉末一粒一粒の大きさのバラツキによる各ピークの強度のブレを解消できるのでしょうか?照射面積の変化の有無でしょうか?それと、通常の装置がω軸しか回転しないのなら、定性分析はできないのではないでしょうか?