正確には、当座預金ではなく当座勘定といいます。
細かい説明を始めると、相当複雑になりますので、概略にとどめます。また、一般的な説明ですので、例外があっても敢えて言及しない部分もあります。予めご了承ください。
特徴はいくつかありますが、まず預金ではないので利息が付きません。通帳もありません(入金を記録する「入金帳」というのはあります)。
また、払出しは、原則として小切手あるいは手形によります。普通預金のように、通帳と印鑑あるいはカードでの払戻しは行いません。
端的に言うと、普通預金は預金者本人がお金を引き出すのに対し、当座勘定からは他人(つまり、小切手あるいは手形の受取人)が支払を請求する、ということになります。
ここで一番問題になるのは、充分な残高がないのに、小切手等を乱発するようなケースがあれば、当然不渡り(小切手等が決済不能)になります。現金ではなく小切手で支払を受ける人は、それを銀行に呈示すれば決済されるという前提に立っている訳であり、小切手の振出人はもちろんのこと、その支払場所となっている銀行に対しても信用していることになります。
言い方を変えれば、支払能力がないのに小切手を乱発するような相手に、銀行が当座勘定の開設を認めるはずが無い、と受取人は考えるからこそ、小切手等を現金の代わりに受領するのです。
つまり、銀行から見れば、当座勘定の開設を認めるということは、依頼者に対する与信行為に当たります。クレジットカードの発行も、与信行為ですが、カードの場合は利用限度額が設定されているため、万一決済不能となっても損害額は限られますが、小切手等には振出限度額などありません(受取人さえ納得すれば、一億円でも一兆円でも振出せます)から、詐欺などを含めた大問題に発展する懸念もあるのです。
個人でも、当座勘定の開設が認められ、パーソナルチェックという小切手を振出すシステムは存在しますが、上述のような理由から、よほど信用のある預金者でなければ、利用できないのが実情です。
お礼
お世話様です。 長文のご回答有難うございました。 勉強になりました。