鋳鉄管(CIP)、排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(DV-A)、耐火ニ層管(FDP-VP)と記載します。
■施工費:材工共で、CIP:D-VA:FDP-VP=25:15:13程度とお考えください。
■施工性:CIPはなんといっても直管ものは長さが決まっているので、微妙な寸法に対応するためにはロスが多いです。D-VAもMD継手を使うので、接続に関しては、CIPとよく似ていますが、直管の施工性は良いと思います。
FDP-VPは接合自身は接着剤なので、施工性は良いのですが、二層管なために耐火管部分はビニル管部分の継手の飲み込み部分だけ短くするため二度手間なので、施工費は高くなります。
■防音性について
低音域はCIPよりレベルが大きい
中音域はFDP-VPがCIPより小さく、D-VAは大きい
高音域はFDP-VPはCIPよりレベル小さくD-VAはレベルが大きい
CIPを基準とした比較:
CIP D-VA FDP-VP
63HZ 1 6 3
125HZ 1 4 4
250HZ 1 10 -2
500HZ 1 5 -4
1000HZ 1 -2 -5
2000HZ 1 1 -4
4000HZ 1 2 -6
総合して聴感上はFDP-VP=38db、CIP=43db、D-VA=45db
いずれにしても30年前の施工方法と、現在の施工方法とは格段の相違があります。防音性を重視するならば、遮音シートの併用や、区画貫通部にヒートメルサイレンスといったクッション性と耐火性を兼ね備えたものを使うと、躯体への音の伝わりが軽減されます。
また、より防音性を高めた管材もあり、検討しはじめるとコストは切りがなく跳ね上がってしまいます。
事実上、現調しないと分かりかねる部分が多いです。
設備を生かしたままの切替は、世帯数が多い分大変な作業になります。
数値だけにとらわれず、速やかな更新作業が出来るといいですね。
お礼
lilymist様 ありがとうございます!! 実際の排水管改修について書かれている本が、なかなかありませんので、大変、参考になりました。 詳細なご回答、本当にありがとうございました。