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第一級ハロゲン化アルキルの脱離反応
教科書に1-クロロヘキサンにKOHを作用させる反応が載っており、私はこの反応の生成物を1-ヘキサノールだと考えたのですが、解答は1-ヘキセンでした。かさ高い塩基を用いなくても脱離反応がメインになることはあるのですか?
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私は、1-ヘキサノールが生じるという回答は正解だと思います。 脱離するか置換するかは反応条件によっても変化することですし、この組み合わせで1-ヘキサノールが生じないというのには無理があると思います。 少なくとも教科書的な議論であれば、SN2の反応性が、第1級>第2級>第3級となっているのに対して、E2の反応性は第3級>第2級>第1級ですから、この組み合わせでは、1-ヘキセンのみが得られるとする解答は横暴すぎると思います。それを認めるとすれば、OH-やアルコキシドをもちいたSN2反応はほとんどあり得ないことになってしまいます。だとすれば、有名なWilliamsonエーテル合成って何なんだ?という話になります。 なお、一般論として、教科書の演習問題というのは、教科書における記述との関連性や、説明の流れの中で出されることが多いので、そうした理由があるのかもしれません。
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- anthracene
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むしろこれは脱離反応(E2)が起きるほうがメインだと思います。 かさ高いと、塩基性が上がって反応が加速されるとともに、脱離反応にのみ反応が片寄る(立体障害で求核置換しづらくなるため)のはご存知でしょうが、別に水酸化物イオン程度でも脱離は起きます。 実験化学講座などの教本にも、塩化アルキル+KOHなどでアルケンを得る方法は載っています。 アルコキシドおよびヒドロキシドは硬い塩基なので、置換反応をおこさせるのは実は厄介だったりしますよ。 たとえば、マロン酸エステル合成などでアルコキシドを塩基に用いることができますよね?
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教科書の置換反応の例としてOH-を求核剤として使っているものが出ていたので、置換反応の方が起きやすいのだと決め付けていましたが、そういうわけではないのですね。わかりました。ありがとうございました。
お礼
>教科書の演習問題というのは、教科書における記述と >の関連性や、説明の流れの中で出されることが多いの >で、そうした理由があるのかもしれません。 そういった事情もあるのですか。それならば、まれに納得できない問題があったとしても仕方がないですね。 わかりました。ありがとうございました。