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銀幕時代の映画について
私は、大学で映画の様々なことについて研究している者です。 銀幕時代(昭和33年~36年くらい)に映画を見ていた人にお聞きしたい事があります。 その頃の国民一人あたりの年間映画鑑賞回数は11回だったそうです。 ここで、質問です。 なぜ、当時映画を見に行っていたのですか?また、映画(ソフト)や映画館の何に惹かれて行っていたのですか? ぜひ、おしえてください。
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それは単純に言って、テレビがなかったからです。 1953年にNHKがテレビの本放送、そして日本テレビが半年遅れて放送を開始します。当時は受像機は非常に高価で、また放送時間も短かかったので、視聴者はごく限られた人たちだけでしたが、街頭テレビの設置により、人々のテレビへの関心は急激に広まって行きました。50年代末で100万をようやく超した受信契約数が、1962年には1000万を超えます。その後の東京オリンピックへの関心が、それを更に増加させます。 一方、映画会社から見れば、テレビは映画屋くずれがやっている、1段も2段も低いものとして蔑視していました。50年代末はプログラム・ピクチャー全盛で、毎週2本ずつ、各社で新作が切られていたのですから、本数の増加とともに明らかな質の低下も起こってきました。 60年代に入ってから、テレビは活況を呈します。良質のコメディー、バラエティー番組が作られるようになり、それらの多くはテレビ史に残るもので、この時代こそ日本のテレビ黄金時代だと言い切る人もいます。 映画や映画館に惹かれていたというよりも、それに代わる娯楽、しかも初期投資を別にすれば殆どタダで見られる、テレビという新しい娯楽に大衆が飛びついたということです。またその状況に映画会社が気付くのが遅かった。 今、テレビの何に惹かれて見ているのですか?と問われて、答えがすぐに出る人はいないと思いますが。しいて言えば、テレビも今やPCにとって代わられて、危ない時代なのかもしれませんけど。