まず、朝鮮と韓国の使い分けについて理解しましょう。朝鮮半島というのは地理的な名称です。現在、南半分にある国が大韓民国、北半分にある国が朝鮮民主主義共和国です。南の人たちは自分達の国民・国語を韓国人・韓国語と呼び、北の人たちは朝鮮人・朝鮮語と呼びます。呼び方が違うだけで実質はほとんど同じです。
1392年に李成桂が朝鮮王国を建てましたが、ずっと中国(明、清)の属国でした。日本が清に戦争で勝って、朝鮮の独立を認めさせました。そのあと、朝鮮王国は1907年に大韓帝国を名乗ります。1910年に日本は韓国を併合して、日本の一部にします。
No. 4 の回答にあるように、ハングルは1400年代に世宗大王(朝鮮王国)の命令で作られた文字です。母音と子音の組み合わせで音節を表す画期的な発明です。現在の韓国でハングルを自慢するのももっともです。
しかし、ハングルは「諺文(オンモン)=偽の文字」と呼ばれ、ほとんど普及しませんでした。朝鮮で古くから19世紀まで公式文書に使われたのは漢字で、ハングルは使われません。明治時代に福沢諭吉がハングルと漢字で朝鮮語を表記した新聞を発行したのでハングルが普及しました。
1910年に日本が朝鮮を併合し、朝鮮半島の人間は全部日本人になりました。だから、学校では日本語を教えました。しかし、朝鮮語も教えています。「言葉を奪った」というのはウソです。
1940年頃の調査では、朝鮮半島で日本語を理解できるものは人口の 20%という結果が出ています。では、残りの 80%は何語を話していたんでしょうね。言葉を奪われたんなら無言で過ごしていたんでしょうか。そんなことはありませんね。学校ではともかく、家に帰れば使う言葉はもちろん朝鮮語(韓国語)です。
なお、現在日本にいる朝鮮人・韓国人は日本に出稼ぎに来た人の子孫が大半です。強制的に日本に働かされた人達もいましたが、大半は日本が敗戦したあとに朝鮮半島に帰っています。日本に出稼ぎに来た人達はもちろん日本語を話しました。そうしなければ働き口がありませんから。ですから、上に書いた「日本語を話せる人口 20%」というのは、朝鮮半島で暮らしていた人についての比率です。
お礼
ありがとうございます。くわしくて、とても分かりやすかったです。