美術系の大学といっても、どういう学部学科があるか、どの地域のどういう位置付けの学校かによって、就職傾向はかなり違いますよ。
建築科を出て一級建築士の免許をとって設計士になる人。
工芸科や染色科ならインテリアやテキスタイルデザイナー、服飾科からアパレル関係へ進む人。
映像・写真学科やCG学科ならマスコミ・出版・映画関係。
工業デザイン科を経て生活に関わるあらゆる物(手の痛くないハサミなど)を設計デザインする人もいます。
もちろん、色々な基礎的実技経験を生かして、学科に関係ない全く違う職種へ行く人もいます。
かく言う私は「視覚情報」にかかわる総合的な勉強をする学科を出て、TV関係者となっております。
画家やデザイン関係だけしか道がないわけではないのです。
美大というと絵だけ描いていれば他の勉強はしないで入れて卒業できる学校だと思っている人もあるようですが、実技と一般教養の点数は別に必要ですし、基礎教養科目は一般大学と同じ程度に取らなければなりません。
逆に色彩心理学や構造力学など、専門技術に属する課目を身に付けられるという点では、進みたい道を決めずに漠然と入っても無駄になる種類の大学なのです。
どういう所に就職できるか、ではなく、美大とはどういう職種に行きたいかによって選ばなくてはならない学校、といえるでしょう。