とくに卑猥なものではないはずですよ(笑)。
落語で有名なのは「らくだ」で、死んだ「らくだ」の葬式代を家主にに出させるべく「出さないと死人にかんかんのうを踊らせる」と脅す場面がありますが、
これは歌舞伎になっており、「かんかんのう」を踊るシーンもあります。
といっても、生きているヒトがらくだの死体の手足を動かしてバタバタさせるだけですが。
この場面については派手な、妙な動きをしているというだけです。
もとは1番のかたもお書きになっているように中国(清)の歌に振りを付けたものです。
とはいえ意味分かって歌っているわけではなく、響きのおもしろい音を口まねしているだけのはずです。
意味不明の中国語の口まねは、当時よく面白がられ、舞台に中国人が出て、意味不明の言葉をしゃべる、それだけでお芝居が大入りになったこともあるほどです。
で、清風の衣装を着て踊ります。
長崎でまず流行り、江戸→上方にと逆流して伝播したようです。文化から文政のころです。時代のイメージとしては鶴屋南北が「東海道四谷怪談」書いたころで、全体にちょっとエログロでバイオレンスなものが受けたころと思ってよろしいと思います。
当時はテレビがありませんから、道で芸をして小銭をかせぐ路上パフォーマーはたいへん多かったようです。
何かが当たると、類似品がたくさん出回りました。
というわけで当時のこういう大道芸的なパフォーマンスは、流行るとともに原型を失っていきます。
「歌祭文」というのがもともとは節を付けて仏の教えを説いていたはずが、だんだん心中事件などを歌ってあるくようになった、などが象徴的だと思います。
というわけで「かんかんのう」もだんだん妙な衣装で妙な振り付け、歌の文句に「かんかんのう」が入っているだけ、
という状態になったことが想像されます。
実際「らくだ」の「かんかんのう」は(まあ端から真面目にやる気はない設定だとしても)下座の音楽も含めて異国テイストは殆ど感じられません。
これは一度廃れます。かなり詳しく当時の大道芸について記している江戸末期の著作「近世風俗誌」には出てきません。
で、明治中期に復活します。「法界節」と呼ばれました。
こちらは衣装は日本風だったようです。
「らくだ」(というか現行の落語作品の殆ど)は明治時代の作品ですので、「かんかんのう」と言うとき、このとき流行った「法界節」もイメージされているかもしれません。
お礼
回答ありがとうございます。 歌舞伎にも出てくるのですか。 見つけた歌詞が意味不明なので、どこかの言語でちゃんと意味があるのかなと思っていたのですが、変化してしまってもう意味のない言葉なのですね。 調べていたら、よく「卑猥な歌詞」と書いてあったので、どこが?と気になっていました。