ご心配のことと存じます。
腓骨が曲がってしまったが、はっきりと骨折しているわけではない、と言う状態なのでしょうか。それであれば急性塑性変形(きゅうせいそせいへんけい)と呼ばれる骨折の一種です。また、子供に特有の、若木骨折という骨折形態もあります。これはちょうど、しめった木の枝を折ろうとしてもポキッと折れずに、一部が折れて、一部のみつながって曲がった状態になるのと似ています。一部に骨折があるものの、一部はつながったままという骨折形態です。
重症度から言うと、塑性変形<若木骨折<完全骨折、となります。
どちらの形態にせよ、若木骨折以下の骨折形態は比較的安定した、軽症の骨折であることが多く、ギプスをしなくて済むこともあります。また、幼児の骨折は多少の曲がりを残して治癒しても成長とともにまっすぐになることもよくあります。これを自家矯正能力と言いますが、これは年齢が小さいほど顕著に表れますので、1歳半であれば十分な矯正能力があると考えられます。
びっこが残るかどうかですが、基本的に”クセになる”、と言うことはあまり心配されなくてもよいと思います。機能障害が残ったり、足の長さが違ってくると”びっこ”が残る可能性はありますが、関節近傍や成長軟骨にかかった骨折でなければ機能障害を残すことは余りありません。ただ、成長とともに長さが変わることがあります(過成長と言います)ので、経過を見ていくことは必要でしょう。
周辺への影響ですが、外傷時とその後数日間に問題がでなければ神経や筋肉への影響は余り心配ないと思います。塑性変形の場合、この可能性は少ないでしょう。
まだ1歳半ですので、むしろ機能回復は成人よりもすぐれています。きっちりと治れば全く問題なく治癒すると思います。
以上、一般論として、乳幼児の軽症の安定型骨折について回答させて頂きました。
骨折の程度と場所によっては、処置が必要であったり、将来的に処置が必要になることもあり得ますので、詳細は実際に見てみないと分かりません。主治医の先生ともう一度ご不安な点についてご相談されることをおすすめします。そこでの回答にご不満が残るようであればNo.1さんの仰るようにセカンドオピニオンを求められてもよいと思います。その際に上記の事柄が参考になれば幸いです。
どうぞ、お大事にしてください。
お礼
明確で適切な回答を有難うございました。当方海外在住なので、日本の専門家の意見も拝見したかったのですぐの回答は大変参考になりました。日本の医療機関にも同じ質問をした所、まだ年齢が低いので自然に治る可能性が高いと同じアドバイスを受けました。有難うございました。