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DNAの転写:イントロン・tRNAの役割とメカニズム
- DNAの転写において、イントロンはどのように除去されるのか、また選択的スプライシングの決定要因について調べています。
- また、tRNAはrRNAとの相互作用や細胞質内での存在についても知りたいです。
- これらの情報を総合すると、DNAの転写におけるイントロンの役割やtRNAの役割、そしてそれらのメカニズムが明らかになります。
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私は専門家ではないので、あまり確かなことが言えるわけではないのですが…。間違っていたらすみません。 >まずイントロンですが、イントロンは(物理的・化学的に)どのようにして除去されるのですか? イントロンにはグループIイントロンとグループIIイントロンというものがあるようです。 グループIIイントロンに関しては、前駆体RNAのイントロンがループ状に投げ出されることで隣り合ったエキソンの端同士が連結され、イントロンがはずれるようです。もっと細かく言うと、(1)イントロンの3'末端付近にあるアデノシンの2'OH基が同じイントロンの5'末端を攻撃してRNAを切断する。(2)切断されたエキソンがイントロンの3'末端側のエキソンと結合し、ループ状のイントロンが切り離される。ということです。ただループ状といっても、実際は多くのドメインを持つ複雑な二次構造になっているようです。 グループIイントロンは複雑な三次構造をとっているらしいのですが、細かい反応についてはちょっと分かりませんでした。 >また選択的スプライシングにおいては、どのイントロンを除去するのか、というのは何が決めているのでしょうか。 どうやら選択されるのは除去されるイントロンではなく、残されるエキソンの方のようです。 スプライス部位にはそれぞれ切断されやすさに違いがあります(この違いについては私もよく分かりませんでした。認識部位としての AAUAAA という特定のRNA配列が関係しているようなのですが…?)。いわゆる“強い”スプライス部位は高確率で切断されるのですが、“弱い”スプライス部位はスプライジングエンハンサーというRNA配列(エキソン内に存在)によって切断されるかどうかが決まるそうです。 ある特定の調節タンパク質が細胞で合成されてスプライジングエンハンサーに結合すると、そこでスプライシングに必要なタンパク質複合体が形成されて、スプライジングが引き起こされます。つまり、あるエキソン内のスプライジングエンハンサーに特異的な調節タンパク質があるかどうかが、そのエキソンが残されるか切断されるかが決まる、ということです(結合できる調節タンパク質がない場合、そのエキソンは無視されて隣のイントロンと一緒に切り離されてしまいます)。 >tRNAはrRNAにアミノ酸を正しく結合する時以外は、 普段はどこに存在するのでしょうか。 これはあくまでも私の考えなのですが、タンパク質合成時の遺伝子発現と同様に、tRNAも必要とされる時(タンパク質合成が行われる時)に大量に合成されるのではないでしょうか。tRNAもDNAによってコードされていますので…。 以上の事については、主にカープの「分子細胞生物学」を参考にしました。私の説明じゃちょっと分かりにくかっただろうと思うので、実際に本に載っている図や顕微鏡写真を見てみてはどうでしょうか。この本じゃなくても、分子細胞生物学の教科書にはこの辺りの話が詳しく載っています。理工書の置いてある本屋さんにならたくさんあると思いますよ! 長くなってしまってすみませんでした。少しでもお役に立てればと思います。
お礼
ご回答ありがとうございます! とても丁寧な解説で、今までの疑問がすっきりと解決されました。 普段はEssensialやGENOME2を参考にしていたので、 カープの分子細胞生物学という本は知りませんでした。 今後とも参考にさせていただきたいと思います! 本当にありがとうございました!