OKgontaさん、こんOOは。
補足の回答です。
1、システム稼動後の問題が発生した場合、場合によりますがマルチベンダの方がなにかともめるのは当たり前です。通信プロトコルやデータの形式がほんの少し違ったり、標準フォーマットだからといっても各社方言があったりします。それが原因でトラブルのです。単一ベンダだからといっても開発部門がまたがったりすると同様のトラブルが起こる可能性はありますが、トラブった後が最大の問題なのです。お互い責任を擦り付け合ってなかなか解決しないことがあるのです。うちのは標準規格に沿っているからあんたのところを直せなんていうふうになるのです。極端な場合、A社とB社のシステムがあってそれらを繋ぐルータが故障したときにどちらが責任を取って修理するかなんて低レベルの話になることもあります。
カスタマイズや拡張性はマルチベンダの場合でそれぞれ自分たちの縄張り内ではできると思いますが、それを超えてとなるとやはり難しい点はでてくると思います。ベンダの皆さんは病院など顧客に対しては低姿勢ですが、同業者に対しては高圧的な態度にでることも多いと聞きます。A社のカスタマイズのために接続しているB社側も機能拡張が必要な場合、A社の担当者がB社と機能拡張の値段交渉をすると定価に近い価格しか提示しないのに、病院の関係者が口添えをすると定価の半額程度になったりすることは実際にあります。こうした点をみれば単一ベンダもありなのかなと思います。
2、コストの点ですが、マルチベンダの方がたくさんのメーカーのものを検討できますので、価格競争が起きて結果安くなるかも知れませんが絶対そうだとも言い切れませんので、ここは交渉しだいということでしょう。
3、各モダリティとRIS、PACSの接続の点ではどこのものでも可能です。基本的には画像データ、患者属性や実施結果情報などの通信はDICOM規格で定められていますので、どのメーカーの組み合わせでも大丈夫なはずです。装置メーカーやフィルムメーカーの方が融通が利きそうなイメージがありますがつながらなければRIS、PACSとして使えませんので、たとえば電機メーカーのものがだめということはありません。
PACSの接続はモダリティ側がDICOMのストレージクラスで通信できればよいので技術的には簡単なほうです。モダリティの出力がビデオ信号などのアナログやレガシーI/Oによるデジタルの場合はコンバータをかませばよいですし、LANポートが付いているのなら、DICOM用のソフト(ドライバなど)をインストールするだけでよいです。後はLANケーブルで接続して設定するだけです。
問題はRISで、技術的には接続が可能な場合でも、たとえば、HISから来た撮影オーダーをRISで受け取り各モダリティに送信する際、マスタの変換が必要な場合があり、それのつじつまがあわないとおかしなことになることがあります。そうした場合の修正や設定変更は人が行うのですけど、その人の経験や知識が豊富なほうが当然よく、画像部門の話をよく聞いてくれる人が言いわけです。人的見地からみるとわれわれ診療放射線技師の話をよく聞いてくれる装置メーカーやフィルムメーカーのRISやPACSのほうが接続に限らずなにかと融通が利くといえるといえるかもしれません。(昔からの付き合いもありますし)
医療情報技師の立場ではなく放射線技師の立場でものをいうと、HISをメインにやっているベンダのRISは機能も低く、よく言えばHISのサブシステム、悪く言えば会計処理さえできればよろしいという風に見えます。装置メーカーやフィルムメーカー製のRISは画像部門にとってかゆいところに手が届く点が多く、画像部門の現場の意見をよく聞いてくれているという風に見えます。
以上参考になったでしょうか。
追伸
医療情報技師を受けられるのなら必ず講習を受けられた方がいいですよ。受験対策になりますがそれ以外に講義中に講師(大学の医療情報部の医師が多い)がポロっと話した実体験(導入時のベンダとのけんかしたこととかその対処法など)が今後の参考になると思います。ボイスレコーダ持っていかれるとなおよいと思います。
お礼
おかげ様で、マルチベンダと単一のベンダのメリット・デメリットや、HIS,RIS,PACSの接続に関する大まかな融通性が、大変よくわかりました。 メーカーとユーザーの信頼関係や、ユーザー側により良いベンダーを見極める力が必要であることもよくわかりました。 そういった点からも、これからDICOMやネットワーク等情報技術についてしっかり勉強をし、十分な準備をしなければならないと痛感いたしました。 また、医療情報技師の講習もぜひ受けたいと思います。 大変親切にしていただき、本当にありがとうございました。とても参考になりました。