難削材の加工原理
タングステン合金のドリル加工(マシニング)についてご質問させてください。
タングステン合金(W97%)の穴あけ加工(L/D>6)で穴曲がりに苦慮していました。
加工条件を探索する中で従来普通と思っていたことの逆の現象により
ある程度精度の改善が見られましたが理屈がまだよくわかりません。
原理を理解して更なる改善につなげたく思うのですがアドバイスをお願いします。
被削材)
タングステン合金
硬度:HRC30
組織:純タングステン粒子(50μm程度)の周りを
柔らかい合金層で形成する石垣構造
伸び:10%程度(高速歪域で脆性化する材料らしい)
従来条件)
切削速度V=40m/min,f=0.07mm/rev
ドリル:φ5超硬マルチドリル
切削液:水溶性
厚み30mmで穴曲がりが0.1~0.15程度発生。
切屑組織:タングステン粒子が球形から米粒形状に変形が見られる
改善条件)
切削速度V=80m/min,f=0.20mm/rev
穴曲がり0.05程度に改善
切屑組織:タングステン粒子は球形のまま
ドリル径が大きくなるとチゼル周辺の速度を保つためにさらに切削速度を
上げないと真直度が出ません。
ただ、磨耗が激しく切削長3000mm程度で精度低下が見られます。
普通難削材だと低負荷での加工が必須と考えていたのですが
このような複合材では一般的なことなのでしょうか。
原理がわかればヒントいただけませんか。
よろしくお願いします