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脳動脈瘤手術のリスクと血管の破裂について
- 兄弟がくも膜下出血の手術を受け、経過良好で退院しましたが、動脈瘤の予防手術で血管からの出血が起き、後遺症が残った。
- クリッピング時に血管の破裂するリスクがあり、正常な血管からも出血する可能性があることが示唆されていなかった。
- 手術ビデオの判定をする信頼できる第3者機関は存在しないため、詳しい情報が必要。
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出血の原因について 血管側から出血する事もさほどめずらしくありません.動脈瘤の原因因子として動脈硬化がありますが,動脈硬化は特定の場所だけに生じるものではなく,多少の濃淡はあるにせよ脳も心臓も含めて全身すべての血管に生じます.動脈瘤ではない血管が正常という前提がそもそも疑問で,動脈瘤周囲の血管は動脈硬化が強いときもあります.動脈硬化があると血管がもろく固くなります.ビデオで血管に黄色いまだら模様がみられたら確定的です. また,説明の中で出血は動脈瘤からと限られるような話があったのかもしれませんが,本件のような非典型的な機序まで説明していたら他にも合併症は無数にあるので事前にすべて説明するのは不可能です.めったに無いような合併症の話を延々と聞かされたら普通は不安が募ります.手術前の説明は主な合併症と全体を総合した合併症率・死亡率・その他にも多種あることに言及があれば充分だと思います.質問者はこの形の出血を事前に聞きたかったのでしょうかそれとも生じうるすべての膨大な種類の合併症を聞きたかったのでしょうか?数は膨大でも確率は極小なのです.量的には本質てきな最も重要な部分よりはるかに多くなってしまいます. バランスのとれた手術説明同意書の雛形のようなものを厚生労働省や学会が主導して作成するべきです. ビデオについて 第三者機関はありません.個別に医師に依頼するしか無いのが現状です.学会が主導して機関を今後つくるべきだとおもいます.患者さんの要望によるものですから費用は患者負担になるでしょうが,それでも弁護士に頼むよりは安くなるのではないかと思います.ビデオを判定できるのは脳外科医しかいません.脳外科医は超多忙な人が殆どですし,私のような暇人は判定する経験と能力が不足してるので判定者の確保は基本的には困難です. 本件は質問文を読んだだけで脳外科医ならあきらかに医療ミスではないと感じると思いますが,ビデオに質問者が述べていない様なミスがある可能性もないではないし,患者さんに納得してもらうことも重要なので学会に動いて欲しいところです. 手術操作について ビデオ画像は二次元ですが手術で使う顕微鏡は双眼で立体視できるようになってます.ビデオで見ると遠近感が無くなり状況を把握するのにさらに経験を要します.また,クリップは先が丸いのでそれが血管に刺さるのなら血管が相当もろくなっていたと思われます.(動脈瘤に刺さるのならわかるのですが)正常の血管なら先の丸いクリップに押されてもスイっと動いて避けます. 手術適応の適否について 質問されてませんが手術の必要性について触れておきます.自然破裂の確率評価が低すぎると世界中の脳外科医の批判を浴びた1999年のニューイングランドジャーナル・オブ・メディスン誌論文においてすら,くも膜下出血発症後のその他の未破裂動脈瘤の破裂確率は年4%と高い数字が示されており,2コあるならその倍の危険性が見積もられます.手術適応判断の目安はメリットとリスクの比較ですから本件の場合,手術適応ありと判断しても誤りでないことは明らかです.
お礼
詳しい説明をありがとうございました 参考に致します
補足
後少し、質問を追加させて頂きます。 仮に血管にまだら模様が確認されても、動脈瘤へのクリッピング処置を継続するのでしょうか。 未破裂動脈瘤の破裂予防手術において、血管が破れる確率をご存じなら教えて頂けないでしょうか。 また、血管にピンを刺してしまうこと事態、手術ミスとはならないのでしょうか。 お忙しいところ申し訳ありませんがよろしくお願い致します。