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常染色体とミトコンドリアDNAのどちらをしらべるべきでしょうか?
スペイン人のインカ帝国や現代のメキシコへの征服で現地のネイティブの男性が絶やされ女性の比重が高まったことに関してです。ある報告によると、コロンビアのある町でネイティブのY染色体比率が1%、西洋人のY染色体比率が94%なのに対して、ミトコンドリアDNAのネイティブの比率が90%となっていました。これはミトコンドリアのDNAは女性のみによって引き継がれることに着目してなされたものですが、ここで質問です。同じような結果が、「常染色体」を調べても出るのでしょうか?
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常染色体は伴性遺伝しないと考えられています。 そのため、常染色体の解析からは男性、女性の由来はわからないので、 同じような結果は出ないのではないでしょうか。 X(西洋人)Y(西洋人){男}×X(ネイティブ)X(ネイティブ){女} ↓ X(ネイティブ)Y(西洋人){男} ×X(?)X(?){女} ↓ X(?)Y(西洋人){男} ↓ ↓ X(?)Y(西洋人){男} となりY染色体の由来を調べることで男系を調べることが出来ます。(男系、女系はおそらく生物学用語ではないと思いますがわかりやすいと思いますので使っています) ミトコンドリアDNAは mtDNA(ネイティブ){女}×mtDNA(西洋人){男}(→遺伝しない) ↓ mtDNA(ネイティブ){女} ×mtDNA(?){男}(→遺伝しない) ↓ ↓ mtDNA(ネイティブ){女} となりmtDNAを調べることで女系を調べることが出来ます。 それにたいし常染色体(たとえば7番染色体)だと、 7(ネイティブ)7(ネイティブ){男}×7(西洋人)7(西洋人) ↓ 7(ネイティブ)7(西洋人){性別不明} となり、次世代にどちら染色体が遺伝して、どちらの性別になるかはわからなくなります。 さらに減数分裂時に染色体間で組換えがおきるので常染色体は混ざっていきます。 このため、ネイティブの女性と西洋人の男性由来の子孫であることを調べるのにミトコンドリアDNA,Y染色体を調べることが妥当だと考えられます。
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- 24blackbirds
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Y染色体の系統の比率とmtDNAの系統の比率が比較されて初めて、おもに男性だけが置き換えられた、という事実が証明されます。女性の西洋人が大量に南米に移住していたら西洋人のmtDNAが高比率で出現したでしょう。女性のみから引き継ぐmtDNA と、男性のみから(原則)引き継ぐY染色体を比較したことに意義があるのです。 常染色体上のDNAを調べてメキシコ人とヨーロッパ人の近縁度を明らかにすることはできますが、それがどちらの性によってもたらされたのかは判りません。
お礼
お二人さん、すばらしい回答をありがとうございました。 とても勉強になりました