耳鼻科専門医でも麻酔専門医でありませんので、主観的な回答であることをお許しください。ただし外科医として麻酔の重要性は肌身で感じておりますのでその上での『主観』です。
結論は『望む治療の形しだい』と言えます。
それぞれに特徴があるからです。
ただし、全身麻酔を選択するのは麻酔専門医の存在を絶対条件とします。
全身麻酔は、熟練した麻酔専門医の手で行えば、全身の管理について考えられる麻酔法の中で最も有利な方法であり、局所麻酔でもしもトラブルが起こった場合を想像すると、一般に外科医は、全身麻酔のほうが安心して手術に集中できます。その代わり、導入から術後のリカバリーまで手数がかかるとともに一定の苦痛も生まれます。
局所麻酔の場合、術後の状態も清明で、手術中の苦痛を我慢すれば管理の時間も短時間で済みます。
頭部の手術の場合、麻酔の管理に必要な器具が手術の邪魔になるということを考えますが、熟練した麻酔専門医であればこれらのことは十分に考慮しますし、同様に手技に優れた耳鼻科医であれば問題なく手術を行うはずです。
個人的な好みを述べるのであれば、局所麻酔は簡便ではありますが、有意識下での痛みのコントロール、実際に手術に面したときの精神的な苦痛を考え、まず全身麻酔を選択するだろうと思います。
全身麻酔は、熟練した『麻酔専門医』の手で行われる場合に限ります。熟練した麻酔医以外の全身麻酔は非常に危険です。麻酔科医の常勤医がいる、または必要に応じ招聘できる環境にない病院で、この選択肢が選択できない医療機関での『全身麻酔』を受けることは考えられません。
ただし、一口に蓄膿の手術と言ってもその程度がありますので、その部分については主治医から十分説明を受けて判断してください。副鼻腔を広範囲に触るのであれば、全身麻酔のほうがいいと思いますよ。逆に非常に狭い範囲であることが術前の画像検査などからわかっていて、出血のトラブルなどが起こりにくいところであれば局所麻酔のほうが楽だと思います。
お礼
長文のご回答大変参考になりました。蓄膿の膿は頬の下までありますので、多分、私が思うに広範囲に渡る手術ではないかと思っております。文面を拝見する限り全身麻酔の方が良さそうですね。本当に有難うございました。m(__)m