「庁」は広く役所を表すと考えてください。
「気象庁」のように固有の名称に使われるときは、どうも国家機関に限るようですから狭い意味では、国の役所を指すのかもしれませんが、一般的にどのような公的機関にでも、「入庁」を使うのはおかしくないと思います。
あとは、「役所に入る」という意味でしょうか、「入所」というのもまぁまぁ見かけます。
「署」も広く役所を指す言葉ですが、消防署などでは、「入署」という言い方も使われるようですね。「体験入署」などWEB検索でたくさん出てきます。
ちなみに、「庁」も「役所」も公的な機関の「公務員が実際に仕事をする場所(建物)」というようなことを意味するのが基本ですから、もともとは、「入庁」「入所」のような表現は、職員として採用されたことを差す婉曲な表現なのだと思います。
つまり「建物に入る」という意味の言葉を正式に職員として採用されたいう意味に使うようになったのが定着したのではないかと推測します。
「入籍」という表現が、「婚姻」の婉曲表現ということが意識されなくないほど(婚姻という意味だと)定着したのと同じような事例ではないかと思います。
現在、問題になるのは、「入社」という言葉をまず思い浮かべて、役所の場合、入社と言うのはおかしいが、入社と並ぶような表現が何かないだろうかということで探すことが多いでしょうが、言葉の成り立ちは少し違うのかなと思います。
「入社」と聞くと会社組織の一員になったのだなという感じがしますが(会社というひとつの人格を感じる)、施設入所などの「入所」と聞くと、単に「施設に入った」という具体的行為のみに着目した語感になります(施設というひとつの人格はない。個々人がバラバラといる感じ)。
後段は、わたしの勝手な推論です。すみません^^;
なので、「入社」と同じような語感の表現をするならば、
「~~警察署に入る」「~~市役所の一員となる」というような言い方が近いかと思います。(答えになってないですね^^;)
漢語を使うならば、外しわざで「就職」というのはどうでしょうかね。「入職」も使われますが、よく考えると何に入るのか語の構成がわからないのでパス。