「二分探索」のことですね。では,お答えします。
二分探索のポイントは,文字どおり,「半分半分にする」ことです。具体的な数で考えてみます。アルゴリズムの概略を追うので,細かい点はあまり考えませんが,これは気にしなくても大丈夫です。
【16 個から探す場合】
16 個の半分→8 個
8 個の半分→4 個
4 個の半分→2 個
2 個の半分→1 個
で,4 回です。
【65,536 個から探す場合】
65,536→32,768→16,384→8,192→4,096→2,048→1,024→512→256→128→64→32→16→8→4→2→1
で,16 回です。
さて逆に,「m 回の比較で何個から絞り込めるか」を考えます。1 回探索回数が増えると,2 倍の探索対象から絞り込むことができるのはよろしいでしょうか。
たとえば,4,096 個から絞り込める探索回数より 1 回多いと,8,192 個から絞り込めるということです(上の例をもう一度ご覧ください)。
具体的には,
- 1 回の探索で 2 個から絞り込めます
- 2 回の探索で 4 個から絞り込めます
- 3 回の探索で 8 個から絞り込めます
- 4 回の探索で 16 個から絞り込めます
- 5 回の探索で 32 個から絞り込めます
- 6 回の探索で 64 個から絞り込めます
- 7 回の探索で 128 個から絞り込めます
- 8 回の探索で 256 個から絞り込めます
ということがおわかりでしょうか。これを式で表すと,m 回の探索回数で,2^m(2 の m 乗)個から絞り込めるということです。つまり,2^m 個からの探索回数は m 回です。
ここで,対数を登場させます。対数は,「真数は底の何乗か」を表すものですから,
- 8 の,底を 2 とした対数は 3(2^3 = 8)
はよろしいでしょうか。では,「2^m の,2 を底とした対数」はいくらかというと,「2^m(真数)は 2(底)の m 乗」なので,「m」になります。これは,対数の底を 2 として,
log 2^m = m
と書けるでしょう。
ですから,探索対象が 2^m 個のとき,比較回数は log 2^m,すなわち m 回になります。
では n 個から探索する場合はというと,同様に
log n [回]
になるはずです。
二分探索では,「1 回増えるたびに 2 倍の探索範囲から探せる」,すなわち,2^m の m が 1 増えます。この,m(指数)を取り出す操作が log をとることなので,探索回数に log が出てきます。
二分探索は,探索対象が倍になっても,回数は 1 回しか増えません。これは,すぐれた方法です。線形探索では,探索対象が倍になると,回数も倍になるでしょう。
以上,おわかりいただけたでしょうか。