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細胞への遺伝子導入
細胞にエレクトロポーレーションでDNAを導入する際の疑問です。 導入するDNAは環状の場合と直鎖状の場合では、細胞へ導入されるときの入りやすさが違うのでしょうか?それとも、導入されてからのDNAの維持の仕方が違うのでしょうか? もうひとつ。安定的な株と、一過的な株の違いはどこにあるのでしょうか?細胞由来だったり、取り込ませるベクター由来だったり、その理由がわかりません(;;)
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環状のプラスミドを導入しても安定してそれなりに発現している株が得られます。 環状と直鎖状のプラスミドをいれて安定に発現する細胞を得て発現量を比較したことは1遺伝子でしかありませんし、 クローン間の鎖が大きいのではっきりとしたことは言えませんが 直鎖状にして入れたほうが発現量の高いものが得られたことがあります。 また、そのとき環状にしていれた方が薬剤耐性はあるのにWBで目的の遺伝子の発現が確認されない細胞の比率が多かったです。(直鎖上で1~2割、環状で7割くらいでした) 私が前に環状のままで違う遺伝子を違う細胞株に入れたときはほとんどの細胞で発現が見られていました。 IP-WBをしたいのでしたらトランジェントに入れても十分見れると思いますが 入れる遺伝子と細胞によるところが大きいと思います。 ゲノムに組み込まれるメカニズムは 組替え修復の分野で調べられていてまだ詳しいところまではわかっていないと思います。 実験書などでいいものは私は見たことがありません。 実験医学の別冊で遺伝子導入の操作については詳しく改定あるものがありますが、 実際に実験をするときにプラスミドDNAを導入するのかまたはウイルスベクターを作ったほうがいいのか、 プロモーターは何がいいのか、 どの細胞に入れるか、 一過的に発現させるのかそれとも安定に発現させるのか、 はケースバイケースなので あなたのラボに専門家がいないのならば詳しい人がいるラボに相談したほうが条件検討をやる時間が減らせると思います。
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- MIYD
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直鎖状にしたほうがゲノムにインテグレートされやすいといわれていますが 細胞へ入るときの頻度については知りません。 安定的に発現する株はゲノム中に発現ベクターが組み込まれているため、 増殖しても発現しますが、 一過的に発現している細胞は ゲノム中に組み込まれない(もしくはまだ組み込まれていない)状態で発現しています。 通常の発現ベクターを細胞に導入すると いちどベクターが入った細胞でゲノムに組み込まれていない状態で一過的に発現し、 その後ゲノムに組み込まれた細胞だけが発現するようになります。 アデノウイルスベクターを用いて導入した場合はゲノムに組み込まれず レトロウイルスベクターやレンチウイルスベクターの場合はゲノムに組み込まれると言われています。 細胞によって相同組換えまたは非相同組替えによってベクターがゲノムに組み込まれる頻度に違いがあることも知られています。
お礼
MIYDさん、回答ありがとうございます!! ここ数日パソコンの調子が悪くなってしまいまして、お礼が遅くなってしまい申し訳ありませんm(__)m 図々しいのですが、もうひとつ質問させてください。 ということは、安定株を得たい時にはプラスミドを直鎖にし、一過的発現でいいので発現させたい時には環状のままで・・・というのが一般に用いられる手法というか、スマートなやり方なのでしょうか? 一過的発現でも十分に免疫沈降、ウエスタンで検出できるならいいのですが・・・。このあたりの技術はまだ未解明な部分が大きいのでしょうか?実験書などにもあまり深くは書かれてなく、周りに経験者もおらず、四苦八苦しています。もし今までに参考になったという書籍やホームページ、文献などがあったら紹介して頂けないでしょうか?よろしくお願いします。