百人一首は昔から好きで、小学校3年の頃にはほとんどを諳んじていたというように記憶しているので、物心つく前からの百人一首の体験者としては、好き嫌いは句の意味とは別なところにいってしまいます。
77 崇徳院
瀬をはやみ 岩にせかるる 瀧川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
落語に「崇徳院」ってのがございまして。
若旦那が恋煩い。その片思いの相手の手がかりがこの句だった。大旦那に頼まれて一生懸命に探した結果、数年を経て、床屋でその相手側でこちらを探している人に出会う。「お前うちへこい」「お前こそうちへ来い」と揉み合った末に床屋の鏡を割ってしまう。怒る床屋に「心配しなさんな。割れても末に買はむとぞ思ふ」と言って落ちる。
この落語が好きだったから、というのもありますが、これが結構好きです。
17 在原業平
千早振る 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは
という、「千早振る」って落語もありますが、こちらの方はあまり子供心に好きではなかったような気がします。