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つる植物の葉の形
つる植物の葉の形がたいていハートマークの形(あるいはそれっぽい形)であるのはなぜですか。「科」の枠を超えた共通点ですよね。単子葉類、サトイモ科のポトスという観葉植物もそうです。何かに対する適応でしょうか。
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#1&4です。 > あえて種の実例をあげて、もう一度、確認させてほしいんですけど、ギシギシよりもツルドクダミの葉のほうが水をしたたり落ちさせるのに適しているんでしょうか。 あくまで仮説であるというのは#1のところで断ったとおりですが、ギシギシは丈夫な茎と葉柄を持ち、体を支えることにそれなりの投資をしています。雨滴の付加による重量増加に耐える力はそれなりに高いでしょう。そのかわり、茎を抱くように葉をつけているので光を獲得する効率は幾分犠牲にしているでしょう、下の方の葉が自分の葉の陰になったりするでしょうから。このように比較的密に葉をつける戦略が有利になるのは、他の植物が上を覆うことが少ない、荒れ地のような環境でしょう。 他の植物がすでにあることを前提としている蔓植物ではこの戦略は難しい。まず求められるのはコスト削減。そしてとにかく他の植物の上に出ること。ですから、ギシギシとツルドクダミとどちらの葉が水を効率よく落とすかを評価するには、葉を作るのにかかっているコストもコミで評価する必要があるでしょう。 そしてもちろん、物理的な特性は実験してみないと判りません。
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- 24blackbirds
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#!です。 まだあいているようでしたので。 シダ植物の多くが羽状復葉で、さらにその原型的植物にはトクサのように広がった葉を持たない植物があるように、また、多くの化石種が示すように、陸上植物に於いては体を支える組織を発展させることが第一義的問題であったと考えられます。とにかく他の植物より上に自分の体を持って行かないと、と。 つまり、羽状複葉の方が原型的なスタイルです。軸を精一杯のばした後に、「ひれ」をのばしたのが葉だ、と。 で、シダ植物はこの競争の中で乾燥地に適応した裸子植物に破れ、裸子植物は様々な環境に対応できる被子植物に破れ、それぞれ「イジケ」た環境で生き残りを図った、そして、生き残った。次に安定した時代が終わり、木本の被子植物が繁栄を極めた森林の世界が破綻を見せたとき、短期決戦をいどむ草本性の被子植物が台頭してきた。つまり、自然史的には木本より草本が後。このような流れの中で、多くを投資せず他の植物の(物理的に)上を目指す蔓植物が生まれてきた、と考えられます。とするならば、進化の方向性は、ずばり、省エネ。そして、将来への備蓄。蔓植物に地下にイモを蓄える植物が多いのは、そういうこと。次の年にどの植物よりも早く、速く、自分の葉を光の届く上に運ぶ事が目的です。少ないコストで多くの収益を。しかも、長期的な資産の増大(樹木ってヤツはたくさんのエネルギーが詰め込まれて作られていますよ)より、短期的に処分が可能な資産(イモは次の年の自分自身の成長に使われるのですから)を重視する経営戦略。この文脈の中でハート型の葉を解釈したのが最初の私の書き込みでありました。 で、ちょっとずるしたことを告白するなら、植物の葉先がとがっていることを、水をしたたり落ちさせるための仕組みと解釈することは古くからなされています(100%説明がいく説と見なされていないのも事実)。しかし、高い木にはいのぼるタイプの蔓にこのタイプの葉が多いという#3さんの解釈はこれをまさに裏付けているような。雨滴の重さでずり落ちてしまうことが問題になるのはまさにこのタイプの植物ですから。
補足
再度のご回答、ほんとうにうれしいです。 長田武正著『人里の植物』(保育社)で、タデ科のところを見ると、ツルドクダミという帰化種が載っています。葉の形はハートというか盾というか。同科のギシギシとはまったく違う形です。 あえて種の実例をあげて、もう一度、確認させてほしいんですけど、ギシギシよりもツルドクダミの葉のほうが水をしたたり落ちさせるのに適しているんでしょうか。
- 8942
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う~ん・・・しばらく考えていたのですが、うまくまとまりませんでした。説得力は無いかもしれませんが、自分の考えを述べてみたいと思います。 気が付いた事は、(1)つる性の植物のうち、壁面や地面を覆うように成長する 植物は横広の葉が多い。 (ナツヅタ、フユズタ、ツルアジサイ、クズ、カボチャ、スイカ) (2)それに対し、棒状の物に巻きついて成長する植物は細長い形状の葉が多いのではないか? (トコロ、ヤマイモ、ヒルガオ、イシミカワ) (1)の場合は正面からのストレスにたいして対応していけば良いのに対し、 (2)は360℃の範囲からさまざまなストレスを受けなくてはいけない。 たとえば風などは(1)は自分を突きぬけては行かないので風を受けやすい形状でも良いが、(2)の場合は自分を突き抜けてしまうので風をあまり受けない形状が望ましいと考えられる。 マキヒゲで絡みつくヘチマやトケイソウの類は同時にいろいろな 物につかまる事が出来るので、(1)の葉の形状よりも大きいく、風も受けやすい形状のような気がします。 実際のところ良くわかりません。ごめんなさい。
お礼
再度のご回答、ありがとうございます。 当初、私が考えていたのは、以下の2点です。 (1) ハートマーク、盾の形は何かにひっかかるのに役立つ。本来なら、鉤(かぎ)の形がベストだが、光を受け入れる面積をある程度確保するには、それよりもハートマーク、盾のほうがよい。 (2) ハートマークは羽状複葉に進化しつつある中間形態ではないか。「何かに対する適応」と解釈しないほうがいいかもしれない。 実を言うと、このQAをそろそろ締め切ろうかと考えていましたが、もう少し開けっぱなしにしときます。
- 8942
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面白いですね。私も似たような質問を考えていたところですが、・・・ 実はいろいろ調べてみると結構複雑な事情で出てくるようで・・・ まず結構するせいの植物と言われる植物にはいくつかのパターンがあるようです。これは私が勝手に分類したものです。専門家はもっと細かく分けるかもしれない。 (1) ツルで巻きつくタイプ、(2)巻きひげで巻きつくタイプ。(3)根で張り付くタイプ。(4)棘を引っ掛けるタイプ (5)葉を引っ掛けるタイプ (1)の植物 アサガオ、ヒルガオの仲間 :ヒルガオ科(ハート型の単葉、三つに裂けた単葉) ヤマイモ、トコロ :ヤマイモ科(ハート型の単葉、 ヘクソカズラ :アカネ科(ハート型の単葉) アオツヅラフジ :ツヅラフジ科(ハート型、三角形、卵型の単葉) フジ :マメ科(奇数羽状複葉) (2)の植物 ヘチマ、キュウリ、カボチャ、スイカ、:ウリ科 トケイソウ :トケイソウ科(3裂葉、5裂葉) ヘンリーヅタ :ブドウ科(掌状複葉) (3)の植物 ナツヅタ :ブドウ科 フユヅタ :ウコギ科 プミラ :クワ科 ツルアジサイ :ユキノシタ科 ポトス :サトイモ科 テイカカズラ :キョウチクトウ科 (4)の植物 ツルバラ :バラ科(奇数羽状複葉) (5)の植物 クエマチス :キンポウゲ科(複葉) すみません時間がなくなってとりあえず途中まです。 確かにハート形や3裂葉の葉は科を超えて採用されている葉の形状かも 知れませんね。特に(1)の茎がツルとなって巻きつくタイプの植物は。 が、しかし調べてみると藤のように羽状複葉の葉もあれば、 掌状複葉もあるし、3裂もあれば5裂もあるし、テイカカズラやツルアジサイのように普通っぽい形状の葉もあります。ウリ科の植物は3裂や5裂の葉でどちらかと言うと丸っこい感じの葉が多いと思います。 ただ確かにハート型の葉には何か秘密があるような気にもさせてくれますね。 時間切れでここまでです。いい加減なレスで申し訳ない。
お礼
続きをお待ちしています。
- 24blackbirds
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大いに想像を交えた仮説を書かせていただきます。 蔓植物とは、インフラストラクションに極力投資せず、純利益率をあげるように進化した植物です。光合成のできない、体を支持するだけの組織というのは自らは持たず、巻き付く先の植物に依存します。したがって、蔓植物自身の体を支持する能力は巻き付く先に巻き付くことのみに費やされ、自分の体を支持する力は脆弱なものになります。しかし葉は光合成をする組織。これを効率よく展開し、十分な光が得られるようにしないといけません。貧弱な体で支えられる葉をできるだけたくさんつけるには、物理的な様々な力をできるだけ受け流すことができる構造を持つことが有利に働くはずです。想像できる外力としては、風と雨滴があります。風をできるだけ受け流し、雨滴はできるだけスムーズに滴下させる構造が望まれるということです。 そこで、ハート型の葉です。風を受け流すにはそこそこ柔軟な葉柄が葉の重心付近に着いていることが有利と考えられます。軽くしなるだけで風の力を受け流せるためです。また、葉の先が細長く伸びていると雨滴を速やかに滴下させることができるでしょう。 思いつきの仮説です。どうぞ、ご批判を。
お礼
おもいつきでもなんでも、けっこうです。こういう問題をとりあげた本を知らないので、回答してくれただけでも、うれしいです。ダーシー・トムソンの「生物のかたち」という本はこの問題を扱ってるんですか?
お礼
たしかにギシギシのたぐいは比較的ひらけた、光量が豊富な場所に多く自生している気がします。 ハート形、非ハート形、いずれの葉が水をはじきやすいか、機会があれば、実験してみたいと思います。霧吹きとか使えば、わりと簡単にできると思います。 24blackbirdsさんをはじめ、みなさん、長いあいだ、どうもありがとうございました。