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クロス(壁紙)について
クロスを勉強しています。 最近、低VOC及び光触媒の壁紙がさかんにクローズアップされていますが両方とも意味がもう1つ理解できません。 光触媒は車メーカーでも言われていると聞いたのですが意味を理解されている方、教えて下さい。 宜しくお願い致します。
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03年7月に改定された建築基準法によってシックハウス症候群の対策のため、居室を有する建築物は室内のホルムアルデヒド濃度を厚生労働省指針値0.08ppm(0.1mg/m2)以下にするために、換気設備の設置義務づけや、建築材料の使用制限などの対策が必須となりました。 それにもとづき内装仕上げ材(壁紙=クロス、他に床材、天井材)はホルムアルデヒド発散量により☆☆☆☆から☆までの4段階で表示される事になりました。 低VOCとはホルムアルデヒドの発散量の少ない☆☆☆☆のものを主に言います。 VOCは揮発性有機化合物全般の事で、ホルムアルデヒドだけではなく、トルエンとかキシレンとかいろいろありますが、接着剤などで一番使用され、検出されやすいのがホルムアルデヒドと言われています。 低VOCの壁紙を作るにはホルムアルデヒドを原料として使用しないのが一番ですが、生産性、コスト、難燃性の付与などの必要からゼロにするのは難しいです。また、壁紙を壁に貼るときの接着剤からもホルムアルデヒドは発生します。 低VOC化の方法のもうひとつは、発生したホルムアルデヒドを吸収したり、分解したりする機能を壁紙に付与する事です。一般にホルマリンキャッチャーなどと呼ばれる薬剤(吸収剤)を壁紙にコーティングする事で室内のホルムアルデヒドを低下させる事ができます。 普通の吸収剤では活性炭と同じように吸収量に限界があり、再放出される場合もあります。 光触媒は、吸着したホルムアルデヒドを光エネルギーにより分解し、無害な物質(H2O、CO2など)する能力があります。光触媒として酸化チタンと呼ばれる物質を用いる事が多く、酸化チタンは触媒として作用するだけで分解、変質はしないので光さえあれば半永久的にホルムアルデヒドなどのVOCを分解し続けます。 光触媒については多くのサイトで詳しい説明をされていますので調べてください。 参考URL:http://www.d7.dion.ne.jp/~shinri/nyumon.html しかし光触媒も万能ではありません。光がないと反応しないのは当然ですが、反応速度は遅く、分解はゆっくりのため、分解処理能力には限界があります。 酸化チタンは光による反応性が災いしてベースとなる壁紙も破壊する事もあります。そのためマスクメロン型の酸化チタンなども開発されています。 光触媒は単にVOCを分解するだけでなく、他の悪臭も分解したり、タバコのヤニや煤煙などの汚れも分解しますので他の壁紙に較べると汚れにくい、部屋に臭いがこもりにくいなどの効果も期待できます。光が当たればですけど。 自動車メーカーでの光触媒の利用にはひとつは汚れ防止があります。外装に光触媒を使用する事で車に付着した汚れを分解してくれることが期待できます。 さらに光触媒の特徴として「超親水性」があり、これは超撥水の全く逆、水をはじくのでなく、積極的に広げようとします。そのため、水滴が玉ではなく、水の膜状に広がるようになるため、雨天時の視界を改善するのに役立っています。親水性のドアミラーが各社で採用されています。 自動車の室内には建築法は適応されないため、VOC対策は遅れがちでした。また、家屋以上に密閉性が高く、樹脂部品の比率も高いため、家屋以上に高VOC濃度である事が一部専門家の間では以前から指摘されていました。厚生労働省が車に対してVOCの濃度の指針を提示し、2007年の新車より対応するように指導がされていましたが、日本自動車工業会は国の規制が及ぶ前に独自基準を設けて車内の低VOC化に本格的に取り組む事になりました。一部の車はそろそろ低VOC車として発売されます。 http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/eco/376800 低VOC化に光触媒が効果的であるかどうかはまだ確定していません。もっと強制的にVOCを吸収、分解するエアコンやフィルターが対策の主流になるかもしれません。VOCを発生させない部品を使用するのが一番ですが。